神本を求めて

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古代エジプトにタイタニック号のミステリー|『水晶のピラミッド』島田荘司

ピラミッドにタイタニック号?

作品説明

 島田荘司御大による『水晶のピラミッド』は講談社から1991年に出版された作品である。文庫版のページ数は解説込みで750ページ近い大ボリュームである。

御手洗シリーズの6作目でありヒロイン松崎レオナが前作以上に活躍する。前作『暗闇坂の人喰いの木』で披露した島田荘司独自の本格ミステリーにさらに拍車がかかっており、話は古代エジプトやなぜかタイタニック号、ピラミッド論にまでおよぶため、もはや推理小説という枠に収まっていない。

さらにレオナのキャラもますますエキセントリックになっているため、好き嫌いが分かれる作風かもしれないが、ミステリーを本来の意味でとらえるなら『水晶のピラミッド』こそ真のミステリーと言えるだろう。

 

以下、あらすじの引用。

エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。冥府の使者アヌビスが500年の時空を超えて突然蘇り、空中30メートルの密室で男が溺死を遂げる。アメリカのビッチ・ポイントに出現した現代のピラミッドの謎に挑む名探偵・御手洗潔。壮大なテーマに挑んだ本格推理の名作。

 

水晶のピラミッド (講談社文庫)

水晶のピラミッド (講談社文庫)

  • 作者:島田 荘司
  • 発売日: 1994/12/07
  • メディア: 文庫
 

 

一線を画したミステリー

 『暗闇坂の人喰いの木』に続いて探し求めていた本に出会えた...もう島田荘司の本しか読みたくない!!そんな気持ちにならざるを得ないような、あまりにも素晴らしすぎる内容である。

こう言っては何だが、殺人事件があって探偵が解決するといったような話は正直言って超つまらないと私は思っている。「警察が来るまでみんなでゲームでもして待ってればいいじゃん....探偵って(笑)」という感覚なのだ。

そんな人間にとって『水晶のピラミッド』は本当に素晴らしい。何といっても200ページ過ぎまで延々と古代エジプトの話とタイタニック号の船上の話が続くのだから。

そもそもミステリーとは難解な殺人事件といったようなものではなく、宇宙や超古代文明オーパーツ、さらにはUFOやUMAといった人智の及ばないものだと考えている。謎は大きいほど良い....と小野不由美さんも言っていた。

本格推理小説を求めて本書を手に取ったのならやや肩透かしを食らうかもしれないが、純粋に謎や物語を求める人には至高の作品になるはずだ。

 

⇩まずはコレでも聴きなされ、エジプトとデスメタルは相性良好!


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気分はスッキリされただろうか?それでは本作を褒め讃えよう。

 

古代エジプトの悲恋

開始早々いきなり文体が変わって「マーデュ」という地の話が始まり、ほとんどの人はなんじゃこりゃとなってしまうものと思われる。

そして読まれた方はこの話に引き込まれまくることになると思うのだが、私は引き込まれたどころではなくディッカに憑依してしまったかのごとく、古代エジプトに魂が逝ってしまった。

本編とどう関係するか不明だがやたら気合の入ったサイドストーリーは島田御大の十八番であり、圧倒的な筆力も相まって下手したら本編以上に話にのめり込むことになるかもしれない。

この古代エジプトエピソードが『水晶のピラミッド』にどう関わって来るのか半端なく気になりまくりながら狂ったようにページをめくり続けてしまうだろう。

 

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古代エジプトエピソードはジョジョ3部でいうとこんな感じだ

 

タイタニックの悲劇

 まずはコレ。

 


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古代エジプトのエピソードと交互にタイタニック船上の話が進むのだが、「俺は一体何を読んでいるんだ?」という状態になった。

しかもこのエピソードも強い臨場感を伴う素晴らしい筆力で描かれているため、名作映画『タイタニック』の映像が頭に蘇りまくり、とても悲しくなると同時に魂がタイタニックの船上に飛んで逝ってしまった。

しかし本当に気になるのは、エジプトの話と言いタイタニックと言い一体事件に何の関係があるんだ!?ということである。

未だかつて味わったことのない猛烈な好奇心センサーを刺激されてしまったのだが、ここまで物語に引き込まれるなんて滅多にない。島田御大は読ませる力が強大過ぎる。

ちなみに映画タイタニックのシーンが頭に浮かぶほどの描写なのに、映画公開よりずっと前に『水晶のピラミッド』が発表されていることにびっくり。

 

尋常ではない怪事件

なんとなく『斜め屋敷の犯罪』の様なハイパーなトリックを匂わせる。
実際にクフ王のピラミッドの謎に対する島田流の解釈を反映したかの様なウルトラトリックが炸裂するのだが、本作の事件の強烈さはこの大技による一発芸には留まらない。

間違いなくすごい事件だが、個人的には古代エジプトタイタニックのエピソードがどう関わるのかとピラミッドのミステリーが気になり過ぎて事件はそっちのけだった。

暗闇坂と同様にかなり事件が撹乱され、ややアンフェアな感じなので、この事件を看破した人はいないと思うのだが、もしいたらきっと宇宙人なのだろう。

クフ王のピラミッドを模したピラミッドの、高い位置にある部屋で、なおかつコレでもかと言うほどの密室で男が死んだ。しかも死因は溺死ときた。
 

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犯人はアヌビスの暗示のスタンドか!?
 

ヒーローは遅れて登場する

前作で活躍したスーパースター・レオナの要請で御手洗が登場するのは、まさかの400ページを過ぎてから。しかも登場してもヤバイくらいの鬱状態でイヤな奴全開モードである。しかしこの鬱モードの御手洗のヤル気なさは酷すぎて逆に笑えてしまった。

レオナの気合で少しずつヤル気になった後はもう最高だ。エジプト紀行にて私自身好きでたまらないピラミッドのミステリーの薀蓄とそれに対する御手洗の考えがあるのだが、ここは本当に面白過ぎた。なるほど島田御大はそのように考えておられるのか、と。事件の舞台アメリカでも、大冒険やらトリック解明のための大実験など最高過ぎる。

それと毎回御手洗の女性論には激しい同意と失笑を経験するのだが、今回もたまらない。以下、本作最大の迷言。
(登場したのは石岡君の回想)

女性の典型、すなわち表面的には必要にして十分だけ優しげで、他者への思いやりに充ちているように見せているが、その実一円も損をすまいと絶えず身構えている図太い利己主義者

毎回ホントにひどいことを仰る.....とか思いつつも以前心理学の本でこんなことを読んだ。「デートの後にその女とセックスしたければ、ディナーは割り勘にすべし」。それはすなわち割り勘のまま解散したら元が取れないという、汚い女性心理によるものである。それにしてもレオナにモテる御手洗の振る舞いは面白い。そしてレオナは不憫だ.....

 

御手洗シリーズにはめずらしい仕掛け

ネタバレになるので詳細には触れないが、正直今回の事件のトリックは見え見えで、簡単だったな...ヘヘッとか思っていたのだが、完全に騙された。

騙されたといってもヤケに簡単だったうえに、いろいろと曖昧な部分があったため、本当にこんなんで良いのかな...と思っていたらやはりそんな訳はなかったのだ。

本作の仕掛けが新本格の作家たちがやりがちな叙述トリックを使った衝撃のラスト的な、あっと驚くものではないのに好感が持てる。島田御大はやはり神なのだ。

個人的には〇〇が✕✕だった!!的な一発芸の叙述トリックは邪道であると考えているので、本作のような仕掛けはウェルカムである。

 

ゴッドオブミステリーは止まらない

島田御大が提唱する「21世紀本格」という、”ミステリーとは、脳の科学小説だ”という思想が『水晶のピラミッド』では大爆発しており、以降の作品ではさらに凄まじいものになっていくのだからたまらない。
本作を読んで血沸きに肉躍った方は以降の作品をゴリゴリ読み進めることをおすすめする。

 

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水晶のピラミッド (講談社文庫)

水晶のピラミッド (講談社文庫)

  • 作者:島田 荘司
  • 発売日: 1994/12/07
  • メディア: 文庫
 

 

苫米地英人|おすすめ作品ランキング15選と神音源紹介

教祖の中の教祖

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カリスマ教祖とはこの人である

 

作品ランキング

 私は苫米地氏の著書を軽く150冊以上は読んでいる。

ここに紹介する作品はいずれも外れ無しであり、本ブログを読んでくださるような小説好きにもおすすめできるものばかりを選んだ。

 

15位  音楽と洗脳 美しき和音の正体【音源付き】

 

多くの人が美しいと思っているピアノの和音。実は、この和音は数学的に協和していません。ピアノの和音はウワン、ウワンといったうなりを発生しているのです。であるのに、私たちの多くは、ピアノのド・ミ・ソの和音を美しいと感じています。一体どういうことでしょうか?<br/>本書は音楽の歴史の中に封印された謎を解き明かしながら、音楽の奥深い可能性に迫るものです。<br/>超高周波が入った本邦初の新バージョン音源も初公開!

 

音源の詳細は後述するが、この本は付属の機能音源がとにかく素晴らしい。はっきり言って神である。すでにプレミアが付いてきてしまっているようだが、中古だとしても何が何でもCD付きのものを購入すべし。

苫米地先生はとにかく音楽に造詣が深いため、音楽と洗脳に特化した本作は内容も非常に興味深い。

 

音楽と洗脳: 美しき和音の正体

音楽と洗脳: 美しき和音の正体

 

 

14位  「言葉」があなたの人生を決める

 

 ◆「言葉」はあなたの人生と全宇宙を支配している!
「言葉があなたの人生を決める」
「毎日くり返す言葉ひとつであなたの90日後、3年後が変わる」

こう聞いて多くの人は
「・・・本当か? 嘘だろう?」と思うかもしれません。
でも、これはホントです。

考えてみてください。
私たちの思考はすべて言葉で成り立っています。
もちろん、イメージをつかって 考えることもありますが、
そのイメージの元をたどっていくと、
それらはすべて自分や対象を規定する「言葉」に行き当たります。

 

自己啓発界ではアファメーションに特化した本である。

この本は古典的名著『思考は現実化する』を苫米地理論をもとにコンパクトかつ理解しやすくような内容で、苫米地理論を知らない人であれば”引き寄せの法則”のようなものだと考えれば問題ない。

小説好きかつ京極夏彦ファンの私から言わせていただくと、『百鬼夜行シリーズ』が好きな人は読もう。京極堂が言う"呪"についてポジティブな見解と解説が述べられているため非常におすすめだ。

 

「言葉」があなたの人生を決める

「言葉」があなたの人生を決める

  • 作者:苫米地英人
  • 発売日: 2013/08/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

13位  瞑想と認知科学の教室

 

瞑想とはなにか?
悟りとはなにか?
その答えのすべてがここにある!

 

酷過ぎるあらすじからも分かる通り、ブッ飛びまくった内容である。サイゾーから出版される本は毎度内容がエクストリーム極まりない。

ヨガマスター成瀬 雅春氏との対談形式だが、狂人に等しい苫米地英人に成瀬氏は軽く苦笑気味だが否定はしていなのがポイント。

本書では”瞑想で人を殺せる”と断言しているのである(笑)

そんな事情から、貴志祐介の『十三番目の人格 ISOLA』や『新世界より』が好きな方は必読だ!

 

瞑想と認知科学の教室

瞑想と認知科学の教室

 

 

12位  いい習慣が脳を変える 健康・仕事・お金・IQ すべて手に入る!

 

 人間の日々の習慣を決定づけているのは脳です。
そして習慣は、脳の働きによって生まれ、
その脳に多大な影響を与える「もろ刃の剣」です。
脳にとって「いい習慣」を身につけることができれば、
人は自らの人生を劇的に好転させることができるでしょう。
そのきっかけを本書でつかんでいただければ幸いです。

 

苫米地本の中でも習慣に特化した内容である。したがって奇を衒ったような理論は控えめで、ズバリ正統派な自己啓発書と言えるだろう。

今となっては新規に自己啓発書を読むつもりなどさらさらないが、本書はkindle版も購入し時々読み返している。

苫米地先生は基本的に小説を読むことを推奨しているため、家族や友人に心配されるほどの読書好きであろうあなたを正当化するという意味でも必読だ。

 

 

11位  現代洗脳のカラクリ─洗脳社会からの覚醒と新洗脳技術の応用

 

脱洗脳のプロが現代社会の罠に迫る! 拝金社会を操る情報操作の闇を鋭く切り取る、脱洗脳のバイブル登場!
現代の拝金主義こそが洗脳だ! 1%の超富裕層による「洗脳」に対しトランプは「脱洗脳の演説」で、逆転勝利!
大企業、権力者、メディアが刷り込む世の常識はすべて幻だ!
99%洗脳された世界で生き残る1%の思考

 

 

苫米地本は洗脳について書いた著書の数がかなり多いが、本書は2017年の著書であるため、過去の著書と比べるとより洗練された内容になっている。

後に書いた本の方がより最新の理論で書かれているのは間違いないだろうから、洗脳に関する苫米地先生の本をお探しなら本書はおすすめである。

 

現代洗脳のカラクリ ~洗脳社会からの覚醒と新洗脳技術の応用

現代洗脳のカラクリ ~洗脳社会からの覚醒と新洗脳技術の応用

  • 作者:苫米地 英人
  • 発売日: 2017/02/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

10位  「イヤな気持ち」を消す技術

 

 本書は最先端の機能脳科学をもとに、誰にでも分かりやすく
「悩み・不安の正体」を記憶と脳の関係で解き明かすとともに、
脳の仕組みとその特性を利用して、
どうすればイヤな記憶を“忘れる"ことが出来るのかについて、
具体的に示した画期的な本です。

 

数ある苫米地作品の中でもベストセラー級の1冊で、内容も極めてマトモ(失礼かな)かつ実践的なものとなっている。

苫米地理論はあまりにも常軌を逸しているため、苫米地氏に慣れていない方が強烈な内容の著書を読んでしまうとドン引きしてしまうかもしれない。しかしこの本は真剣に読者に寄り添うような筆致なので安心である。

ベホマズン』や『ケアルガ』....そういった回復魔法に興味があるのなら必読である(真面目に書いており申す)

 

「イヤな気持ち」を消す技術

「イヤな気持ち」を消す技術

  • 作者:苫米地 英人
  • 発売日: 2012/11/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

9位  がんを克服できる脳【音源付き】

 

 世界初! 「治る」という、正しい確信のしかた。
これまで誰も説明できなかった、がんや病気との本当の付き合い方、未来への希望の作り方とは。
世界的認知科学者である著者が、最新の医療情報と豊富な事例をふまえながら、誰もが持っている脳機能を効果的に使い、がんや病気の悩みを解決する方向を指し示す。
また、苫米地博士のコーチングによって救われた元がん患者や、2度のがん克服者としても知られる鈴木宗男氏(新党大地代表)の体験記も収録。
その他、本当の“健康体"になれる、脳も身体も活性化させる実践方法も紹介。
がんや病気が怖くなくなる。健康になる方法がわかる!

 

私の家族ががんになってしまったのなら、必ず真剣に読み聞かせすると決めている作品で、テーマがテーマだけにとても丁寧に書かれている。

本書の内容を信じて実行すればがんはきっと治るのだろう。またがんだけでなく他の病気にも適用できるような内容である。

ザオリク』や『エス』『アレイズ』に興味がある方.....いや、真剣にがんと戦いたい方は必読だ。無論その家族も。

ちなみにこの本の付属の機能音源CDは神である。少々プレミアが付いているが、絶対にCDが付属しているものを購入すべし!!

 

がんを克服できる脳

がんを克服できる脳

  • 作者:苫米地 英人
  • 発売日: 2013/03/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

8位  宗教の秘密─世界を意のままに操るカラクリの正体

 

 あなたは催眠術のショーを見たことがありますか? 舞台に上げられた人が術者の言うがままに犬のように吠えたり、檸檬を丸ごとかじったり…でも、催眠をかけられた記憶を消され舞台を降りると何事もなかったかのように、その人は社会生活に戻ります。私たちもまた、何らかの洗脳を仕掛けられた後、その記憶を消され社会に戻されていたとしたら…。
これはおとぎ話ではありません。現代では、「神を信じぬ者は地獄に堕ちる」といった“あの世の論理”の力は弱まっていますが、「お金がなくなると不幸になる」という“この世の論理”に私たちは強く支配されています。多くの人が自覚せざる、お金教という宗教の信者、あるいはエージェントにされているのです。
本書はキリスト教からお金教まで、この世界が宗教の形を借りた「あるカラクリ」に操られていることを看破。そのカラクリを解明します。さらに「宗教のつくり方」を白日にさらし、人類を脱洗脳します。

 

宗教と言ったら苫米地英人オウム真理教と戦った男だけあって麻原彰晃以上のカリスマ教祖である。

そんな男の宗教特化型の本が面白くないはずがない。自己啓発などとはまったく関係がなく、純粋に超楽しい読み物である。ちなみに京極夏彦の『鉄鼠の檻』が好きな方であれば脳汁ドバドバであろう。宗教に興味がある人に超おすすめ。

宗教の雑学にも強くなれますぞ。

 

宗教の秘密

宗教の秘密

  • 作者:苫米地 英人
  • 発売日: 2012/03/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

7位  クロックサイクルの速め方【音源付き】

 

 「才能や家庭環境は不平等。でも時間は誰にでも平等」

という言葉を聞いたことがありますか?
1日は24時間で、誰にでも時間は平等に過ぎるということです。
しかし、これはウソです。脳科学によって、
このウソは証明されています。
少なくとも脳は、24時間を生きているわけではありません。

なぜならクロックサイクルという概念があるからです。
クロックサイクルは、人、環境によって違い、この違いが
仕事のスピードや結果、勉強の能力などに差が生まれてしまうのです。

 

■ あなたの時間を左右するクロックサイクルとは?

あなたは「クロックサイクル」を知っていますか?
ほとんどの人が聞いたことことがないでしょう。
クロックサイクルは、パソコンのCPUの演算処理速度と同じで、
脳の情報処理速度のことを指します。

人はクロックサイクルの速度が変われば、感じる時間、考える時間、
行動できる時間が変わってくるということです。

たとえば走馬灯というのがあります。

「死ぬ瞬間、人はこれまで生きてきた体験を追体験する」

というものです。物理的な時間として考えれば一瞬ですが、
しかし、脳では一瞬の中じっくりと数年分生きているのです。
これは死ぬ瞬間、クロックサイクルが狂っていることを
表しているといえます。クロックサイクルが速くなれば、
物理的な時間は一瞬でも、すごく長い体感時間を感じることができます。
つまりの能力の差は、クロックサイクルのスピードの差なのです。
クロックサイクルを高速化できれば、他人の時間の数倍もの、
仕事、勉強などができるようになります。

 

ヘイスト』を習得したい方は必読だ.....という冗談はさておき(冗談ではないのだがw)、内容は後ほど紹介する苫米地流速読本に似ているのだが、本書は極めて実践的な速読の本となっている。

つまりクロックサイクルを早めるためには、速読が非常に有効ということでもあるのだ。読書のモチベーションが上がること間違いなしなので、とにかく小説好きであればおすすめしたい作品である。

なお本書も音源が付いているが、音楽が入っているのではなくトレーニング用の音声(アナウンスのようなもの)が入っているものである。プレミア価格になった場合はいらないかもしれないが、新品で購入できるうちはCD付きで買った方がいいだろう。

 

クロックサイクルの速め方 ~脳が2〜32倍速になる特殊音源トレーニングCD付~
 

 

6位  自分のリミッターをはずす! 完全版 変性意識入門

 

 変性意識状態(ゾーン)に入れば、人生思いのまま!
●ほとんどの人が自分の限界を決めてしまっている
●脳は現実の世界と空想の世界が区別できていない
●催眠は誰でもかけられるし、日常的にかかるもの
●「もう歳だから…」と人は自らに悪い暗示をかけている
●東大生は自らに暗示をかけて、受験に勝ち抜いてきた
●テレビで紹介されたダイエット食材が店頭から消える理由
誰でも自己催眠に入れる一分間呼吸法

催眠・気功・古武術は人生を高める強烈なツールになる
●気は実在しないが、存在している
●実は、人は物理空間に生きているようで、情報空間に生きている
●だから、人の内部情報空間の書き換えは、誰でも可能
苫米地博士の変性意識理論の集大成!
これを理解できれば、あなたの潜在能力は120パーセント発揮される

催眠、気功、古武道と一見、何の関係もなさそうな技術が、
実は内部情報の書き換えにあることを明らかにして、
その本質が人の変性意識状態にあることを喝破!
エリクソンからNLPまで、
すべての苫米地理論の基礎が具体的にわかりやすく展開される

 

出し惜しみなしかつオカルト全開で脳のリミッターの外し方を解説している。催眠術や気功、古武術を具体例としてこのテーマを解説する変人は苫米地博士だけだろう。

催眠術や気功、古武術の先生方の話を聞きながら変性意識状態について学べるので、純粋に読み物としても非常に面白い。

中島らもの『ガダラの豚』や京極夏彦の『塗仏の宴』、そして貴志祐介の『新世界より』が好きな方は必読である。もう最高。

 

自分のリミッターをはずす! ~完全版 変性意識入門

自分のリミッターをはずす! ~完全版 変性意識入門

  • 作者:苫米地 英人
  • 発売日: 2017/10/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

5位  夢が勝手にかなう「気功」洗脳術─脳科学から見た「気功」の正体【覚醒CD付】

 

 ■脳が目覚めれば、才能は開花する!
鬼才・Dr.トマベチが「気功」の奥義を初公開。
IQがアップするのはもちろんのこと、
発想力、問題解決能力、コミュニケーション能力、
プレゼンテーション能力、企画力など、
あらゆる能力が劇的に向上します。

 

苫米地先生の著書では頻繁に”抽象度” という言葉が出てくる。

本書は最もその”抽象度” が高い内容であるため、ある意味苫米地本の集大成と言っても過言ではないのかもしれない。これがすべてである。

ただし内容はあまりにもブッ飛び過ぎているので、苫米地慣れしてから読むことが望ましいだろう。

ちなみに付属の音源はプログレのような前衛的な苫米地ギターが炸裂するが、プレミアム価格を払ってまで買う必要はないかもしれない。

 

 

4位  洗脳護身術

 

 「洗脳」はあなたと無関係の出来事ではない。カルト、悪徳商法は言うにおよばず、国家、メディア、より身近な社会や教育、家庭が、知らず知らずのうちにあなたの脳に入り込んでいる。オウムなどカルト信者の脱洗脳体験、西洋哲学、東洋哲学、心理学、認知科学への深い造詣から編み出された洗脳のメソッドをイラスト入りで解説し、自らの意志と力で洗脳を抜け出し、自由をつかむ道を示す。現在の日本を改めて見つめ、一層高まる「洗脳護身術」の必要性について語る「特別付録」を加え、ついに復刊!

 

最初の著書である『洗脳言論』と双璧を成す苫米地博士の理論がまとまった書籍である。初期の作品ながら苫米地理論のほぼすべてが書かれているため、少々読むには骨が折れるが最高傑作級の1冊である。

マイティガード』を習得したいならこの本だ。『洗脳原論』と本書が苫米地理論の基本テキストである。自己啓発書というよりは極めてオカルティックな内容である。

 

苫米地英人コレクション1 洗脳護身術

苫米地英人コレクション1 洗脳護身術

 

 

3位  洗脳原論

 

洗脳について専門用語を使わず極力平易に書いたつもりです。 オウム真理教の洗脳手法を脱洗脳家として直近に経験してみて、同様な手法が他のカルトにも波及している現在、これを日本人全てに伝えなければ、正直21世紀の日本は危ないと思った。脳機能学的な専門用語を使うことなくできるだけ平易に書くことにこころがけた。

 

苫米地博士のデビュー作にして最高傑作と言っても過言ではない内容で、こんなこと書いちゃって大丈夫なのかというオウム真理教信者の脱洗脳の過程も描かれている。

本書以降の作品と比べると、参考文献がしっかりと記載されており論文に近い内容となっている。

苫米地理論は本作と『洗脳護身術』にすべてまとまっていると言っても過言ではない。処女作には著者のすべてが含まれるというが、本書も例外ではないだろう。必読書だが内容はお堅いので他の苫米地本を読んでからにした方が読みやすいと思われる。

 

洗脳原論

洗脳原論

 

 

2位  ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方

 

 アメリカの大学院は、1日30冊から50冊の本を読まなければ落第してしまう厳しい世界。 本書は、そんな世界を生き抜き、カーネギーメロン大学で博士号を取得した著者が明かす“速く読めて内容も理解できる”究極の速読術。 「読んでいる行の1行先を意識に上げる」「1秒でメニューを決める」「絵本と写真集を同時に読む」など、 確実にIQが上がるメソッドが満載の一冊です。 文庫書き下ろし。

 

速読....? バカじゃん?な1冊である(笑)

私は苫米地流禁煙本で苫米地氏を知り、この本を読んで苫米地氏のファンになった。

苫米地先生のカーネギーメロン大学在籍時の超人っぷりも体感できるため読み物としてめちゃくちゃに面白いのも良い。

本書では速読について極めて当たり前でありつつも、他の本では絶対に言えないような理論とその実践方法が書かれている。(超人向けであるw)

また小説を書くことが推奨されているという点で、小説好きで作家志望の方にも大変おすすめだ。

 

 

ちなみのこの本はkindle版では以下のようにタイトルが異なっている。

紙の本は絶版しているようなので、中古がイヤなら電子書籍でも問題ない。

 

今までの速読法はまったく間違っていた? 脳を活性化して速読する方法とは? 著者、苫米地英人が大学院時代に行った速読の方法とは? 著者が明かす究極の速読法とそれにより、年収が10倍になるというヒントを網羅、ファンならずとも必見です。

年収が10倍になる速読トレーニング

年収が10倍になる速読トレーニング

 

 

1位  「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

 

 異能の脳機能学者にしてオピニオンリーダー苫米地英人

あなたは自分で自分の足をひっぱっていませんか?本当の実力を発揮するために、頭をスキッとさせる8つの方法を伝授!不滅のメソッドが、「特別付録」を加えてさらに進化!現代人を「常識」や「ニセ情報」のウソから解放し、真の能力を発揮する道を示す!

 

かなり迷ったが、この記事を読まれる方は自己啓発書やビジネス書を求める方が多いだろうという判断で本書を一位とした。

なぜなら苫米地理論が最も綺麗にまとまった自己啓発特化型の内容だからである。分かりやすいうえに淡々とすごいことが書かれており、苫米地用語や理論もほとんど網羅されているという点で自己啓発書としての完成度は最高レベルである。

どれか1冊と言われたらまずは本書をおすすめしたい。この本を読んでヤバい方向に人生が変わってしまっても責任は取りません(笑)

すでに自己啓発書なんてクソだと思っていた当時の私ですら楽しめたくらい、独自の内容がてんこ盛りだ!

 

苫米地英人コレクション3 「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

苫米地英人コレクション3 「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

  • 作者:苫米地英人
  • 発売日: 2018/03/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

番外編  洗脳学園

 

苫米地英人著のライトノベル。洗脳のスペシャリストが送る洗脳を題材にした小説。主人公「真境名栄人」は高校二年生、私立天堂学院に転校したところから物語は始まる。一見普通の高校だったが、実態は生徒会長「美星瑛里歌」の洗脳支配により、学園は先生や生徒とも支配されていた。時期を同じくして転校してきた「蘭堂雷華」と共に学園の秘密に立ち向かおうとする栄人。そんな栄人を手伝おうとしてくれる「仲澤」や幼なじみの「愛原」も含めて、ついには生徒会長と対峙。しかし、最後に意外な結末が待っていた。

 

苫米地理論がこれでもかと詰め込まれた、まさかのラノベ作品である。

膨大な小説を読んできた私からすると、物語の完成度はまぁまぁといったところだが、ラノベとしてみれば高水準なデキなのではないかと思う。

苫米地先生を女子高生にしたようなキャラが古武術全開で無双しつつ、ミステリ要素もあるので結構楽しいし、何より刀の達人女子高生も出たりするので結構萌えている(笑)

ちなみに紙の本はプレミアがついているので、読むならkindleで良いだろう(私は定価の数倍払って紙の本を買ったけどな)

 

洗脳学園

洗脳学園

 

 

 

おすすめ神機能音源

 苫米地先生は高額な怪しげな音源やセミナーを実施されていることでも有名だが、私はそういったことには興味が無い。だって高いもん。
ということで本に付属している機能音源の中でも特におすすめなものを紹介したい。
ここで紹介する書籍はたとえ絶版してプレミアがついてしまったとしても絶対にCD付きのものを買うことを強くおすすめしますッ!!

①人を動かす [超] 話し方トレーニング【サブリミナルCD付き】 劇的な成果が手に入る驚異の会話術

 

一生使える<”話し方>のテクニックが身につく
ビジネスで勝ち抜き、人の心を意のままに動かす、究極の会話術とは?
苫米地英人が贈る、あなたの夢をかなえる最強のテクニック。

 

はっきり言ってこのCDに収録されている音源は最高である。
4曲収録されているが、1曲目と4曲目がノリノリかついかにも脳に刺激を与えそうな曲で、2曲目が非常に美しいピアノ曲、そして3曲目が神秘的で東洋的な音源が収録されている。

話し方なんて興味が無い方でもCD目当てで購入しよう!超おすすめだ!!

 

 

②がんを克服できる脳

 

 世界初! 「治る」という、正しい確信のしかた。
これまで誰も説明できなかった、がんや病気との本当の付き合い方、未来への希望の作り方とは。
世界的認知科学者である著者が、最新の医療情報と豊富な事例をふまえながら、誰もが持っている脳機能を効果的に使い、がんや病気の悩みを解決する方向を指し示す。
また、苫米地博士のコーチングによって救われた元がん患者や、2度のがん克服者としても知られる鈴木宗男氏(新党大地代表)の体験記も収録。
その他、本当の“健康体"になれる、脳も身体も活性化させる実践方法も紹介。
がんや病気が怖くなくなる。健康になる方法がわかる!

 

ランキングにも挙げたが、本書は本の内容だけでなく音源も素晴らしいものとなっている。4曲収録されておりいずれもピアノが中心となっているが、1~2曲目はとても美しく静謐なピアノ曲で、3~4曲目はアップテンポになりつつも時に美くしいメロディを響かせとてもポジティブになれる。

 

がんを克服できる脳

がんを克服できる脳

  • 作者:苫米地 英人
  • 発売日: 2013/03/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

③音楽と洗脳 美しき和音の正体

 

多くの人が美しいと思っているピアノの和音。実は、この和音は数学的に協和していません。ピアノの和音はウワン、ウワンといったうなりを発生しているのです。であるのに、私たちの多くは、ピアノのド・ミ・ソの和音を美しいと感じています。一体どういうことでしょうか?<br/>本書は音楽の歴史の中に封印された謎を解き明かしながら、音楽の奥深い可能性に迫るものです。<br/>超高周波が入った本邦初の新バージョン音源も初公開!

 

こちらもランキングで紹介したが、音源はとにかく気合が入っているだけでなく、純粋にBGMとして良すぎるので超おすすめ。定価そのものが少し高めだがハイレゾ音源も収録されており、収録時間も長いためコスパは抜群である。

 

音楽と洗脳: 美しき和音の正体

音楽と洗脳: 美しき和音の正体

 

 

③英語は逆から学べ!

 

『英語は逆から学べ!』の内容を紹介する前に、
付属CDについて説明させていただきます!

もしも、あなたが「英語」に興味がなかったとしても、
本書に付いている特殊音源CDには興味がわくかもしれません!
(カルト信者の脱「洗脳」でも有名な苫米地博士が開発)

2007年にディスカバリー・チャンネルで全世界放映され、
ネットを中心に世界中で話題になった音源だからです!

具体的には、

・記憶力アップ(海馬が情報の出し入れをしやすくする)
・問題解決力(IQ)アップ
自己実現力(自己イメージ)アップ

に効果のある音源を美しい曲の中に埋め込んでいるのです。

 

英語の教材としてシリーズ化されているが、シリーズ一作目である本書は英語学習本というよりも語学全般に触れたような内容である。

また上の引用文にも記載した通り、音源は圧倒的に素晴らしい!

1と3曲目はとても美しく深淵を感じるようなピアノ曲で、2曲目も心が鎮まるような曲となっており、尺の長い4曲目はいかにも脳を刺激しそうな曲である。

英語に興味が無くても音源で元が取れるくらい最高だ!!

英語は逆から学べ!

英語は逆から学べ!

  • 作者:苫米地 英人
  • 発売日: 2008/03/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

⑤聴くだけで〇〇シリーズ

 

以下にリンクを貼ったが、本シリーズはCDをメインにしているため音源のボリュームが多く、それぞれの曲の完成度も高水準である。苫米地理論を凝縮した本も良い。

いずれも4曲収録されており、アップテンポの曲からピアノ曲、脳に刺激が来るような曲まで揃っている。

個人的には『聴くだけで頭がよくなる』の1曲目(IQアップ)と『聴くだけで脳が生まれ変わる』の2曲目(集中力アップ)はヘヴィローテーションしている。

とにかくコスパの良いシリーズなのは保証する。

 

苫米地式 聴くだけで頭がよくなるCDブック

苫米地式 聴くだけで頭がよくなるCDブック

 
苫米地式 聴くだけで脳からストレスが消えるCDブック
 
苫米地式 聴くだけで脳が生まれ変わるCDブック

苫米地式 聴くだけで脳が生まれ変わるCDブック

 

 

⑥脳機能を活性化する「超」快眠術

 

満足できる「熟睡感」が欲しくないですか―本書は「速やかな入眠」と「爽やかな目覚め」を可能にする方法と、それを強力に促す世界初!パワースリーブ&パワーウェイクCDで、あなたに「これまでにない熟睡感」をもたらします。

 

数ある苫米地機能音源の中でも最強にコスパの良い2枚組のCDが収録されている。ただ大ボリュームなだけでなく楽曲がBGMとしてものすごく優秀なのがポイント。

果たしてこの音源を聴いて快眠できるかどうかは不明だが(笑)、とにかく曲が良いので音源目的で買うべき作品。

CD無しの中古本やkindle版は絶対に勝ってはいけない!!(でも本の内容も悪くないのでとりあえず本が読みたいならkindleもあり)

 

脳機能を活性化する「超」快眠術

脳機能を活性化する「超」快眠術

 

 

⑦聴くだけ!クラシック音楽で脳が目覚める

 

あなたの脳を覚醒させる特殊な聴き方を教えます。 あのクラシックの名曲をカップリング!  2つの曲が同時に脳内で鳴り響くIQアップ用音源付き! ベストセラーを連発する脳科学者・ドクター苫米地が、クラシック音楽に造詣の深いことはあまり知られていない。 彼が独自に開発し、自身が主宰するセミナーだけでひそかに伝授してきた特殊音源とその聴き方を本書で初公開。 クラシック音楽によって、自己実現が可能になり、なりたい自分になれる。

 

本の内容も非常に面白いが、音楽マニアの苫米地先生が合成した複数のクラシックが同時に流れてくる音源が神。

2曲同時に流れてくるのにあまり違和感がないのは苫米地先生のセンスの賜物だろう。BGMとしても普通に超おすすめな音源だ。

ちなみにモーツァルト楽曲がメインのムック版もあるが、トータルでこちらの方が良いと私は思う。だって本の内容そのものがすごいので。

 

聴くだけ!クラシック音楽で脳が目覚める

聴くだけ!クラシック音楽で脳が目覚める

  • 作者:苫米地英人
  • 発売日: 2010/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

⑧努力ゼロでやせる!「脳活性ダイエットCD」

 

読者から「CDを聴くだけでホントに19キロやせた」
     「1カ月でウエストが25cm減」
     「ジーンズがぶかぶか。ドカ食いしなくなった」
     「バストがCカップからFカップに」など反響殺到!

■世界的脳機能学者にして、脱洗脳の専門家・苫米地英人博士の「特殊音源CD」2枚つき!
通常は約2万分の1しか使っていない脳のさまざまな部位を刺激する特殊音源で、代謝アップ、食欲正常化、理想のスタイルに!
自己実現力を高める未公開音源も含め70分収録!
脳機能科学的な活用法、ドクター苫米地メソッドのコツもわかる超お買い得な1冊です。
DISC1「努力ゼロでやせる!脳活性ダイエットCD」
     ●効果
      脳機能活性化・エネルギー消費促進
      食欲鎮静化(脳に甘みを認識させる)
      IQと自己実現力の向上 など
DISC2「100人全員バストアップ!脳活性バストアップCD」
     ●効果
      脳機能の活性化
      腹部・背部から胸部への脂肪の移動
      女性らしいボディライン作り(快感音)など

 

これこそ最高傑作である!!

CD二枚組で1枚目(ダイエット)の1曲目のどこまでも飛翔していくような楽曲と、2枚目(バストアップ)の2曲目のSF的でスタイリッシュな楽曲があまりにもかっこ良すぎるのだ!!

特にバストアップの2曲目は、こんなにスタイリッシュな曲がまさかバストアップ用の曲などとは誰も思わないだろう(笑)

ムック版なのでプレミアがついてしまう可能性が高いが、たとえ1万円で買ったとしても、後悔しないであろうことをこのわたくしが保証いたす!!

 

 

努力ゼロでやせる!「脳活性ダイエットCD」

努力ゼロでやせる!「脳活性ダイエットCD」

 

 

 

信じる者は救われる

 苫米地英人は何といっても胡散臭さを高密度に濃縮したような方なので、信じる信じないはあなた次第。
しかし何が正しいかなんてどうせ分からないのだから、この記事を見られた方はとりあえず何冊か読んで、実践されてはいかがだろうか。

 

上橋菜穂子|作品一覧とおすすめランキング15選

国産ファンタジーの筆頭

上橋作品の複数ある特徴の中でも特筆すべき点は、著者の本職が文化人類学者(人間の生活や活動の具体的なありかたを研究する学問)であるため、作中の世界の作り込みが徹底されており、世界観に深く没入できるということである。
衣食住が細かく作り込まれており、特に食については1冊の著書としてまとめられるほどしっかりと描かれている(もはや飯テロ)。
そんな偉大な作家、上橋菜穂子の作品をランキング形式でご紹介したい。

作品一覧

エッセイなどの作品も上梓されているが、ここでは小説のみ挙げる。
大作シリーズが中心で作品数があまり多くないため、一度何かの作品にはまってしまえば、一気に全著作を読んでしまうかもしれない。

ノンシリーズ

  1. 精霊の木(1989年)
  2. 月の森に、カミよ眠れ(1991年)
  3. 狐笛のかなた(2003年)

守り人シリーズ

  1. 精霊の守り人(1996年)
  2. 闇の守り人(1999年)
  3. 夢の守り人(2000年)
  4. 虚空の旅人(2001年)
  5. 神の守り人 来訪編(2003年)
  6. 神の守り人 帰還編(2003年)
  7. 蒼路の旅人(2005年)
  8. 天と地の守り人 第一部 ロタ王国編(2006年)
  9. 天と地の守り人 第二部 カンバル王国編(2007年)
  10. 天と地の守り人 第三部 新ヨゴ皇国編(2007年)
  11. 流れ行く者(2008年)
  12. 炎路を行く者(2012年)
  13. 風と行く者:守り人外伝(2018年)

獣の奏者

  1. 獣の奏者 Ⅰ闘蛇編(2006年)
  2. 獣の奏者 Ⅱ王獣編(2006年)
  3. 獣の奏者 Ⅲ探求編(2009年)
  4. 獣の奏者 Ⅳ完結編(2009年)
  5. 獣の奏者 外伝 刹那(2010年)

 

鹿の王

  1. 鹿の王(2014年)
  2. 鹿の王 水底の橋(2019年)

 

作品ランキング

 上橋作品はノンシリーズものが極端に少ないのでシリーズ作品も1作ずつ対象とする。ただし上下巻で異なるサブタイトルが付いているものや、一つながりの物語となっている以下の作品は1作とみなす。

  1. 蒼路の旅人/天と地の守り人
    全4冊で一括りの物語となっているため。
  2. 獣の奏者 Ⅰ闘蛇編/Ⅱ王獣編
    闘蛇編と王獣編で完結した物語となっているため。
  3. 獣の奏者 Ⅲ探求編/Ⅳ完結編
    探求編と完結編で一括りの物語となっているため。

本ブログではランキング記事を複数掲載しているのだが、上橋作品ほど格付けに困った作家はいない。いずれの作品も甲乙つけがたいほど拮抗しているからである。
そこで格付けでは単品での完成度を重視することにしたい。

 

十五位  月の森に、カミよ眠れ(2008年)

 

月の森の蛇ガミをひたすら愛し、一生を森で送ったホウズキノヒメ。その息子である蛇ガミのタヤタに愛されながらも、カミとの契りを素直に受けいれられない娘、キシメ。神と人、自然と文明との関わりあいを描く古代ファンタジー

 

『精霊の木』に次ぐ初期作品で、デビュー作ではSF要素が濃厚だったのに対して、2作目『月の森に、カミよ眠れ』は古代(縄文時代)の日本を舞台とした古代ファンタジーである。

著者自身も仰っているそうだが、本作には文化人類学者としてのご自身の思いを物語にしたという側面があるらしく、いまいち作中に引き込まれにくいなど、まだ物語として粗削りな部分があるのは否めないが、後の作品に昇華されていく思想が大いに盛り込まれているので上橋作品を何作か読んだファンにはぜひおすすめしたい。

 

月の森に、カミよ眠れ (偕成社文庫)

月の森に、カミよ眠れ (偕成社文庫)

 

 

十四位  夢の守り人(2000年)

 

人の夢を糧とする異界の“花"に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は“花"の魔力に打ち克てるのか? 開花の時を迎えた“花"は、その力を増していく。不可思議な歌で人の心をとろけさせる放浪の歌い手ユグノの正体は? そして、今明かされる大呪術師トロガイの秘められた過去とは? いよいよ緊迫度を増すシリーズ第3弾。

 

 バルサの恋人(?)タンダとその師・トロガイが中心の物語で、守り人シリーズ長編の中ではファンタジー要素が最も強く出た作品となっている。

脳内に作中の世界を再生するためには、それなりの想像力(と妄想力)が必要なため、やや読みずらいかもしれないが、窮地に陥ったタンダを全身全霊をかけて救い出そうとするバルサが大好き(それでいてくっつかないのも好き)。

スケールアップする次作以降の物語前に、幻想的な本作のような作品もまたいとおかし。

 

夢の守り人 (新潮文庫)

夢の守り人 (新潮文庫)

 

 

十三位  精霊の木(1989年)

 

環境破壊で地球が滅び、様々な星へ人類は移住していた。少年シンが暮らすナイラ星も移住二百年を迎えるなか、従妹のリシアに先住異星人の超能力が目覚める。失われた“精霊の木”を求め、黄昏の民と呼ばれる人々がこの地を目指していることを知った二人。しかし、真実を追い求める彼らに、歴史を闇に葬らんとする組織の手が迫る。

 

上橋菜穂子デビュー作である。特筆すべき点はあらすじからも分かる通りSF作品であるということだろう。SF要素 7:ファンタジー要素 3といった絶妙な塩梅で描かれる作品は今後の著者の作品に昇華していく要素がこれでもかというほど詰め込まれている。

いろいろ詰め込み過ぎた感があるのと、まだ自身の作風が完成されていない(守り人シリーズとはかなり筆致が異なり、小松左京筒井康隆っぽい)ことから、ややとっつきにくいかもしれないが、著者デビュー30周年記念で文庫化されているため上橋ファンなら絶対に押さえておきたい作品である。

 

精霊の木 (新潮文庫)

精霊の木 (新潮文庫)

 

 

十二位  獣の奏者 外伝 刹那(2010年)

 

 王国の行く末を左右しかねぬ政治的運命を背負ったエリンは、女性として、母親として、いかに生きたのか。エリンの恩師エサルの、若き頃の「女」の顔。まだあどけないジェシの輝く一瞬。一日一日、その時を大切に生きる彼女らのいとおしい日々を描く物語集。エリンの母ソヨンの素顔を描いた単行本未収録短編「綿毛」収録。

 

まず先に言っておきたいのは、本作は完全に大人向けの内容である。なぜならば子供には理解できないタイプのエロ...ではなくエロスがそこはかとなく匂い立っているからである。もう官能小説すれすれ。

 エリンの母親ソヨンの生前の話(さりげないエロが爆発)やⅡ王獣編からⅢ探求編に至る空白の期間(エリンと〇〇〇の馴れ初め有り)、異様にエロいエサルの過去の話に、エリンの子育てと本編の内容を補完するものである。

完結編を読んだ後に読むとますます気分が沈む可能性があるので要注意。

 

獣の奏者 外伝 刹那 (講談社文庫)

獣の奏者 外伝 刹那 (講談社文庫)

 

 

十一位  炎路を行く者(2012年)

 

『蒼路の旅人』、『天と地の守り人』で暗躍したタルシュ帝国の密偵ヒュウゴ。彼は何故、祖国を滅ぼし家族を奪った王子に仕えることになったのか。謎多きヒュウゴの少年時代を描いた「炎路の旅人」。そして、女用心棒バルサが養父ジグロと過酷な旅を続けながら成長していく少女時代を描いた「十五の我には」。──やがて、チャグム皇子と出会う二人の十代の物語2編を収録。

 
 『蒼路の旅人』から登場するや、裏で暗躍しまくっていた名キャラ・密偵ヒュウゴが主役の短めの長編(約250ページ)と15歳のバルサを描いた2作の物語である。
バルサの話は安定して面白いが、何といってもヒュウゴが熱い!!
バルサともチャグムとも異なる没落からの厳しい半生を描いた作品で、ヒュウゴの振舞いにはマネをしてはいけない部分もあれば、感化されるような男気もあり学ぶことが多いのである。
⇩表紙のイケメンがヒュウゴです。
 
炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)

炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)

 

 

十位  虚空の旅人(2001年)

 

隣国サンガルの新王即位儀礼に招かれた新ヨゴ皇国皇太子チャグムと星読博士シュガは、〈ナユーグル・ライタの目〉と呼ばれる不思議な少女と出会った。海底の民に魂を奪われ、生贄になる運命のその少女の背後には、とてつもない陰謀が――。海の王国を舞台に、漂海民や国政を操る女たちが織り成す壮大なドラマ。シリーズを大河物語へと導くきっかけとなった第4弾!

 

女用心棒バルサではなく、チャグム王子が主役を務めるシリーズ4作目。「バルサじゃなくて大丈夫か」という心配は杞憂であり、これまでの作品から一気にスケールアップし、海が中心となる新しい地域で繰り広げられる壮大な物語には胸が熱くなること必至である。
1人の少年(チャグム)の成長物語としても非の打ち所の無い内容で、ライバル的なキャラとの出会いや降りかかる陰謀などを通じて成長していく様は、我が子に何が何でも読ませたいと思わせる何かがある。
 
虚空の旅人 (新潮文庫)

虚空の旅人 (新潮文庫)

 

 

九位  狐笛のかなた(2008年)

 

小夜は12歳。人の心が聞こえる“聞き耳”の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の“あわい”に棲む霊狐・野火だった。隣り合う二つの国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年・小春丸をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる…愛のために身を捨てたとき、もう恐ろしいものは何もない。

 

上橋女史のノンシリーズ作品の中では『狐笛のかなた』が内容、完成度、読みやすさともにトップクラスである。そのため上橋作品を始めて読まれる方には『精霊の守り人』と並んで最もおすすめしたい。

戦国時代の日本を想起させられる和風でありながら、微妙に異国情緒も感じられる世界観は上橋作品の中でも特に物語の世界へ引き込まれやすい。

さりげなく恋愛要素を入れてくる上橋女史だが、本作が一番純愛な感じが美しい。

 

狐笛のかなた (新潮文庫)

狐笛のかなた (新潮文庫)

 

 

八位  神の守り人(2003年)

 

女用心棒バルサは逡巡の末、人買いの手から幼い兄妹を助けてしまう。ふたりには恐ろしい秘密が隠されていた。ロタ王国を揺るがす力を秘めた少女アスラを巡り、〈猟犬〉と呼ばれる呪術師たちが動き出す。タンダの身を案じながらも、アスラを守って逃げるバルサ。追いすがる〈猟犬〉たち。バルサは幼い頃から培った逃亡の技と経験を頼りに、陰謀と裏切りの闇の中をひたすら駆け抜ける!

 

王道の”剣と魔法のファンタジー”が好きな方であればおそらくシリーズの中でも一番引き込まれるようなファンタジー要素が強めな作品である。

鬼神タルハマヤを宿した者〈サーダ・タルハマヤ〉という大量破壊兵器に置き換えられるような少女・アスラを巡ってアスラを守るバルサVS破壊の力を利用しようとする〈猟犬〉の対立が読む手を加速させる。

中二病患者にはもってこいの作品だ!

 

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

 
神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

 

 

七位  獣の奏者 探求/完結編(2009年)

 

する者と〇〇れ、となったエリン。ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった。との未来のため、多くの命を救うため、エリンは歴史に秘められた真実を求めて、過去の大災厄を生き延びた人々が今も住むという遙かな谷を目指すが…。

 

 あらすじが微妙にネタバレしているため、一部表記にしている。前作から作中の時間がだいぶ経過しており、登場人物一覧を見ただけで度肝を抜かれるというビックリ仕様である。「エリンたんに何があったの....?」という疑問が浮かぶだろうが、空白の時間については『外伝 刹那』で語られる。

前作で語られなかった闘蛇と王獣の謎を追い、リョザ神王国の成り立ちにも迫る前作以上に緊迫した物語である。もはや児童書失格。

衝撃の結末を迎えるため、賛否両論となりうる内容となっており、読むのには覚悟を決める必要がある。こんなのを書いちゃう上橋女史が大好きです。

 

獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)

獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)

 

 

六位  鹿の王 水底の橋(2019年)

 

 伝説の病・黒狼熱大流行の危機が去った東乎瑠帝国では、次の皇帝の座を巡る争いが勃発。そんな中、オタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医の真那に誘われて恋人のミラルと清心教医術発祥の地・安房那領を訪れていた。そこで清心教医術の驚くべき歴史を知るが、同じころ安房那領で皇帝候補のひとりの暗殺未遂事件が起こる。様々な思惑にからめとられ、ホッサルは次期皇帝争いに巻き込まれていく。『鹿の王』、その先の物語!

 

 『鹿の王』の後の物語だが、続編というよりは外伝的な位置づけで、ファンタジー要素がかなり少なく、医療サスペンス ✕ 恋愛小説といった感じの内容になっている。

前作の主人公の一人ヴァンやユナ、サエといった主要人物が一切登場せず(おらのサエを返してくれ...笑)、本編の主人公の一人ホッサルとその彼女ミラルが主役の物語である。

生死に関わる深刻な物語ではあるものの、前作とは異なりスケールはそこまで大きくなく、"医療の在り方とは"に特化している。

新たに漢字名の登場人物が多数登場するなど、少々読みずらいかもしれないが、読み進めれば進めるほど話は緊迫していき、読むのを止められなくなるような展開には息が詰まるほどである。

コロナ禍の影響かは不明だが、単行本から1年後に文庫化されたという経緯があるほど医療について深く描かれた傑作で完成度はとても高い。 

 

鹿の王 水底の橋 (角川文庫)

鹿の王 水底の橋 (角川文庫)

 

 

五位  蒼路の旅人/天と地の守り人(2005~2007年)

 

生気溢れる若者に成長したチャグム皇太子は、祖父を助けるために、罠と知りつつ大海原に飛びだしていく。迫り来るタルシュ帝国の大波、海の王国サンガルの苦闘。遥か南の大陸へ、チャグムの旅が、いま始まる! ──幼い日、バルサに救われた命を賭け、己の身ひとつで大国に対峙し、運命を切り拓こうとするチャグムが選んだ道とは? 壮大な大河物語の結末へと動き始める。

 

大海原に身を投じたチャグム皇子を探して欲しい──密かな依頼を受けバルサはかすかな手がかりを追ってチャグムを探す困難な旅へ乗り出していく。刻一刻と迫るタルシュ帝国による侵略の波、ロタ王国の内側に潜む陰謀の影。そして、ゆるやかに巡り来る異界ナユグの春。懸命に探索を続けるバルサは、チャグムを見つけることが出来るのか……。大河物語最終章三部作、いよいよ開幕!

 

上橋作品の中でも最もスケールが大きく、『守り人シリーズ』を締めくくるのにふさわしい超大作にして、魂が揺さぶられる素晴らしい物語である。

守り人シリーズの記事と異なり蒼路の旅人と天と地の守り人をセットにしているため全体で五位とした。

 大切な人を守るため、自ら死地に赴いたチャグム王子(もはや1作目とは別人)の男気溢れる熱い冒険で物語は幕を開けて、窮地に陥ったチャグム、そして新ヨゴ皇国を救うため女用心棒バルサが男気(女だけど)を魅せまくる壮大な旅へと繋がる。

余韻を残して締められるため、読後も守り人シリーズの世界観からなかなか抜け出せないだろう。

 

蒼路の旅人 (新潮文庫)

蒼路の旅人 (新潮文庫)

 
天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)
 

 

四位  精霊の守り人(1996年)

 

精霊の卵を宿す皇子チャグムを託され、命をかけて皇子を守る女用心棒バルサの活躍を描く物語。著者は2014年国際アンデルセン賞作家賞受賞。

老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。

 

 前述の通り、本記事の格付けは作品単体の完成度を重視するため、守り人シリーズの記事とは順位が異なるが、シリーズ1作目である『精霊の守り人』を四位とする。

1作目にしてすでに世界観の基礎となる部分は完璧に築きあげられているため最初に読むなら『精霊の守り人』一択である。必ず最初に読もう。

物語のスピーディな展開や臨場感のある戦闘シーン、女用心棒バルサの魅力的なキャラクターなどどこを取っても欠点の見あたらない傑作である。

読み終われば必ず続編も読みたくなるはずなので、時間に余裕のある時にシリーズを一気に通読することをおすすめしたい。

 

精霊の守り人 (新潮文庫)

精霊の守り人 (新潮文庫)

 

 

三位  獣の奏者 闘蛇/王獣編(2006年)

 

リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける。

 

上橋作品のベストに挙げる方が多いと思われるが、回収されない伏線が多い(探求編と完結編で明らかになる)といった点で三位とした。

冒頭からかなりハードな展開だが、主人公エリンの半生や王獣との生活を通じて学ぶことがとても多く、子供から大人まで満足できる内容となっている。

特にエリンの成長過程で描かれる科学的なものの見方は実生活や仕事においても非常に重要な考え方なので、ぜひ我が子にも読ませたい作品である。

 

 

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)

 

 

二位  闇の守り人(1999年)

 

女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは――。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。

 

児童書として名高い『守り人シリーズ』の中でも特に大人向けの内容で、主人公の女用心棒バルサが過去を清算するという内省的な物語となっている。

シリーズの他の作品と比べればスケールは小さいが、地下という闇の世界の幻想的な描写と様々な想いが込み上げてくるラストシーンは圧巻である。子供に響くかどうかは分からないが、アラサー以降の世代には心に突き刺さる何かがあるはずだ。

 

闇の守り人 (新潮文庫)

闇の守り人 (新潮文庫)

 

 

一位  鹿の王(2014年)

 

 強大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てることにする。一方、謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサルは、遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故蘇ったのか―。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り…!?たったふたりだけ生き残った父子と、命を救うために奔走する医師。生命をめぐる壮大な冒険が、いまはじまる―!

 

迷いに迷いまくってしまい会社を休もうと思うくらい考えたが(笑)、全体的な完成度とキャラクターの魅力(個人的にヴァン&サエが超好き)、読後の満足感といった点で『鹿の王』がNo.1だという結論に至った。

難読漢字の登場人物や複雑な人間関係などやや読解力が求められるため、他の作品に比べれば読者を選ぶかもしれないが、ミステリやサスペンス要素が上橋作品の中では特に強めなので勢いがついてきたら読む手が止まらなくなるはず。

 

鹿の王文庫全4巻セット(角川文庫)

鹿の王文庫全4巻セット(角川文庫)

 

不朽の名作たち

30年後、50年後も読み継がれている作品というのは世の中にどれだけあるのだろうか。

上橋作品は老若男女問わず楽しめるし、物語の普遍性からして100年後も読み継がれている可能性のある作品ばかりである。

読書を通じて何かを学ぶというのはあまり好きな考え方ではないのだが、上橋作品では読めば必ず人生の糧となる何かを得られることだろう。

何から読んでいいか迷ったら、まずは『精霊の守り人』またはシリーズ作品が苦手というのなら『狐笛のかなた』をおすすめしたい(獣の奏者でも鹿の王でももちろんOK)。

 

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おま〇こ VS おち〇ぽ|『くノ一忍法帖』山田風太郎

ただセクロスしてるだけ...ヌけます。

 

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見るからにエロい裸妊婦くノ一

 

作品紹介

 山田風太郎による『くノ一忍法帖』は1961年に出版された作品である。
文庫版は330ページ程度の読みやすい長さで、ただひたすら変態プレイが繰り広げられる....そう、本作はマニア向けのエロ本である。

徳川家康に一族根絶やしにされるさ中、豊臣家の血を絶やさぬよう真田幸村が五人のくノ一に豊臣秀頼の子胤を孕むよう命じる。秀頼の妻である千姫とくノ一+助っ人が家康の放った刺客・伊賀忍者から子胤(お腹の中の胎児)を守るために戦うというブッ飛びつつも魅力的なプロットだが、登場する忍法の大半がエロ忍法で刺客の伊賀忍者が曲者揃いのせいでかなりのキワモノとなっている。

どれだけエロいのかはじっくり後述していくが、おバカ×エロを求めている方にはこれ以上の本はないのではないかと思われる。 

なお直木賞作家の馳星周は童貞時代に本作をオカズにシコっていたというのだからお墨付きというわけである。

 

 

 以下、あらすじの引用

大坂城を攻め滅ぼし、天下を手にしたはずの家康を驚愕させる情報がもたらされた。真田幸村の秘策により、信濃忍法を駆使した5人のくノ一が秀頼の子を身ごもった。しかもその女たちは愛孫・千姫の侍女の中に潜んでいるという。禍根を断つべく、家康は伊賀忍者の精鋭5人を呼び寄せ、隠密裡にくノ一たちを葬るよう命ずる。性の極致で繰り広げられる凄艶奇抜な忍法合戦。千姫と家康、勝つはのいずれの執念か。忍法帖の究極作。

 

 

エロ忍法のネタバレをしまくる

 『くノ一忍法帖』はラスト以外はネタバレしてもさほど問題ないと思われるし、何よりネタバレ無しでは私の書きたいことが書けないのでおもいっきり内容に触れまくる。

というか本作は物語がオマケでただエロい戦闘とエロ忍法がメインで山田風太郎もエロバトルを書きたかっただけのような気がしてならない(笑)

エロいことを書くというのは面白いものよ。

 

ご想像にお任せします 「蛇まといの秘法」「吸壺の術」

 追い詰められ死に瀕した豊臣秀頼が一晩のうちに五人の女を孕ます......いやいや不可能だろう(笑)と早速ツッコミどころ満載なのだが、そのツッコミに答えるが如く真田幸村がくノ一に言うのが以下のセリフだ。

秀頼様は、この一両日、いたく御憔悴の体におわす。それに五人でかかるのであれば、蛇まといの秘法でおん腰を巻たてまつらねば相成らぬぞ。また、かならずおん胤をつかせねばならぬゆえ、吸壺の術を忘れるな

なんだよその術......そんなのあれば不妊治療なんていらないではないか。しかもこの術はいずれも詳しいやり方は描写されない。

まぁ、ご想像にお任せしますというところだろう。エロい。

 

くらってみたい忍法「幻菩薩」使ってみたい忍法「くノ一化粧」

幻菩薩とは男だけに通じる忍法で、菩薩像を並べることにより発動し周りにあるありとあらゆるものがエロ菩薩となり快楽の限りを与えるという凄まじい幻術である。喰らった男はダメ人間になるので容易に殺されてしまう。

そして次に忍法「くノ一化粧」。くノ一が化粧をする?いいえ。

女とセックスすることによって、その女の姓を吸いきってその女に変身するという何ともエロい忍法なのである。

実用的なようで、いつどこで使うんだよ.....という笑える忍法なのだ。

極めつけに笑えるのはこの術の風太郎の解説が「いまの言葉でいうと、女性ホルモンの作用ででもあろうか」んなわけあるかよ......医学部卒の無駄遣いである。

 

 忍法「天女貝」そして「穴ひらき」「恋しぐれ

この忍法天女貝とはいったい....名称からしていかにもおまんこを何かしら使うのかしらん。などと思いつつ読み進めるとやっぱり(笑) 

ただおまんこを強烈に締め付けるだけというアホ極まりない忍法だったのだ.....

いったいこの忍法は何に使うんだよと思ったらちゃんと有効活用するのが忍法帖仕様。天女貝と対峙するのは、一度犯した女が犯した男のことを狂うように求めるようになり、二度目にセックスをしたら死ぬという意味不明な忍法「穴ひらき」と精液をかけられた女の肌にしみこみセックスしたのと同様の効果を与え、次にセックスすると死ぬという「恋しぐれ」である。

ちなみに医学部卒の山田風太郎によるとこの忍法の科学的な根拠はアナフィラキシーショックとのことである。セックスってアナフィラキシー発動するの???またしても医療知識の無駄遣いだ(笑)

もはや双方の使用する忍法がアホ過ぎて泣けてくるのだが、これでなかなか面白いバトルになるのだからたまらなのだ。あぁエロい。

さらにこの伊賀忍者にまつ末路がまたクソ過ぎて笑える&抜けるのである。

 

忍法「やどかり」、リョナ御用達の忍法「日影月影」

 完全に倫理を無視した忍法、それが「やどかり」である。

子宮内の胎児を妊娠していない他の女の子宮に移動させるという、この話のためだけに創られたかのようなクソ忍法であり、胎児を移植する際にはエロス極まりない凄絶なレズプレイを披露することになる。

次いで登場するのが、セックスした女に何%か乗り移って自在に操る伊賀忍法「日影月影」であり、この忍法を説明する際にこっそり孕んでいた妊婦に乗り移り、自ら腹を切り胎児を取り出すというリョナラーの手をちんこに走らせる変態エログロシーンが登場するのである。

ほんとにもう書きたいことを書きたいように書いただけのエロ本だよな、これは。当時はこういうのが許されていたのだろうか。今より厳しいようでゆるいというところか。

 

 イって逝く...忍法「筒涸らし」

 これなら死んでもいい....と思わせる男の夢の忍法、それこそが「筒涸らし」である。

そのネーミングの通り、犯された男(笑)が圧倒的な絶頂感のもとで無限に射精してしまい、すべての精液を出し切った後は干からびるまで血液をちんこから放出させ続けるという嘘みたいなクソ忍法なのである。

普通に考えれば、男を誘い込んで忍法にハメるというのがこの術の正しい使い道なはずなのに、『くノ一忍法帖』ときたら、幻術にかかり放心する男をくノ一が犯したり、伊賀忍者が戦闘中にくノ一にセックスすることで発動させるのだからたまらない。

山田風太郎が描く女はすべてこの世のものとは思えない美女らしいので、拙者も本作のようなシチュエーションになったら死んでもいいからヌいてもらってしまうかもしれない。

 

影で犯す、忍法「百夜ぐるま」

 数少ないまともで使い勝手がよく、強力な忍法....それが忍法「百夜ぐるま」である。

影を操り、敵の影を強姦することでその女をうまいことコントロールしてしまうというふざけた効果の他、純粋に敵の影を攻撃するという正攻法な使い方もある。

しかしなんでまた影で強姦するなんて言うへんな発想が浮かぶのだろうか。影が犯され本体は快楽に包まれる。変態だ。

 

 アホの極み、忍法「鞘おとこ」「人鳥黐」

すでにクソエロ忍法をいくつも紹介させていただいたが、まだまだ残念な忍法は尽きないのである。

それが皮を脱ぐ 忍法「鞘おとこ」と膠(にかわ)のごとき粘着力をもつ精液を操る「人鳥黐」である。そもそも「鞘おとこ」とはこの特殊な精液を体中に塗りたくっていざとなったら.....たとえばちんこを忍法天女貝で締め付けられた時(笑)に脱出するなどして使うことができるのだ。もちろん弾力性のある鎧にもなる、臭いけど。

この精液をいたずらにも使うなど、もはややりたい放題である。

 

鬼才の本気、忍法「羅生門

何に使うのかさっぱり分からない忍術、それが「羅生門」である。

子宮内の胎児を操って攻撃(というか本編ではちんこを掴んだ)するという、これ以上ないほど変態かつ倫理崩壊のキングオブクソ忍法なのだ。

 しかしエロミスの至宝『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』にてデビューしたメフィスト賞作家である早坂吝氏が、前代未聞のトリックと犯人と宣伝されていた某本格エロミス作品にて、忍法「羅生門」が使われていたのだから笑えてしまう。時代が山田風太郎に追いついたといったところだろうか。

 

ちなみに『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』は超おすすめである。

この記事をここまで読んで『くノ一忍法帖』に興味を持った方なら100%気に入るだろう。当然逆も然りである。

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すごいけどエロい忍法「夢幻泡影」からのスカルファック

 使い勝手は別として、そこそこ強烈な忍法が多い『くノ一忍法帖』において、もっとも強力な忍法が忍法「夢幻泡影」であろう。

おまんこから泡を放出し続け、その泡を見た男は自らその泡に飛び込んでしまう。その泡はさながら子宮のようであり、術にかかった者は赤ん坊帰りしてしまうのだ。

なんでおまんこから出すという設定にしたんだろう....もちろん変態だからです。

そして最後にリョナラー悶死のエログロシーンが炸裂する。

「夢幻泡影」後に帝王切開にて出産して死亡したくノ一の裂けた腹、肥大した子宮をみた伊賀忍者が、食虫花に魅入られたかのように吸い寄せられ、子宮に頭を突っ込んで窒息死するのである。

ほんとに大丈夫なのかな....これ。今じゃぜったいに許されなそう。

 

ほら、エロいでしょう

内容に触れるとか言いながら、エロ忍法のことを書いただけで結構長い文章を書いてしまった(笑)

そもそもこの作品は物語がオマケでエログロがメインなのでこうなるのも無理はないか。とにかくエロい奴や変態リョナラーであれば絶対に読むべし!超おすすめじゃ!

 

 

 

伝説の病が迫り来る医療ファンタジー|『鹿の王』上橋菜穂子

ファンタジーを超越した世界観

 

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美しい装丁なのだけれど.....

作品紹介

 上橋菜穂子による『鹿の王』は2014年に角川より出版された作品で、単行本は上下巻、文庫は1~4巻に分冊されており1200ページ級の大長編である。

 2019年には『鹿の王』の後の物語となる『鹿の王 水底の橋』が発表されたが、こちらは本編の続編というよりは外伝的な位置付けとなっている。

 児童文学の作家として名実ともに世界に認められた上橋菜穂子だが、『鹿の王』は内容的にどう考えても児童文学という枠に収まっていないように思われる。『獣の奏者』を上梓された際も著者は子供向けとして書いていないと話されていたが、本作は感染症や医療がテーマになっていることや、政治的な思惑が複雑に絡み合うという観点から『獣の奏者』以上に大人向けの内容だと言えるだろう。

 

 以下、あらすじの引用

 強大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てることにする。一方、謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサルは、遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故蘇ったのか―。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り…!?たったふたりだけ生き残った父子と、命を救うために奔走する医師。生命をめぐる壮大な冒険が、いまはじまる―!

 

鹿の王文庫全4巻セット(角川文庫)

鹿の王文庫全4巻セット(角川文庫)

 

 

他の上橋作品に比べ読みずらい

著者の代表作と言える『守り人シリーズ』や『獣の奏者』は大長編でありながら、かなり読みやすい部類に入るのだが、『鹿の王』は主に以下の理由からやや読解難易度が高めなので読書やファンタジー小説慣れしていない方は苦戦するかもしれない。

  1. 登場人物多すぎ&漢字の人名が多い&漢字が覚えにくい!
    初見殺しである。読書慣れしていない方がネームバリューに釣られて読んだら、脱落者が多数出てしまうかもしれない。

  2. 複数勢力が様々な思惑を秘めて暗躍する。
    『鹿の王』は登場人物の多さだけに留まらず、物語に関わる勢力も多岐におよぶため、誰がどの勢力に属していてどのような思惑を持って行動しているのかを押さえながら読まないと、今何してるんだっけ?となること確実である。

  3. そして長さが止めを刺す
    前述した著者の代表作に比べれば短いのだが、それでも大長編であることには変わりなく、何より1と2の読みずらいポイントに長尺が加わることでますます読解難易度は上がる。

 

このように読みずらいポイントを挙げてみたわけだが、文章自体はとても読みやすいので登場人物や勢力、地図をメモしながら読むような人にとってはさほど読みずらさは感じないかもしれない。

普段適用に読み進める方(私もそうなのだが...)は、いつもよりしっかり腰を据えて読み込むことをおすすめしたい。全体的な完成度は上橋作品全体でもトップクラスなので、しっかり読む労力は必ずや報われる。

 

二人の主人公

 『鹿の王』はタイプの異なる二人の男性(いずれも女性にやたらモテそう)を中心に物語が展開していく。妻子を含めすべてを失い奴隷となったアラフォーのヴァンとイケメン貴族のアラサーのお医者さんホッサルである。

 立場も身分もまったく異なる二人の物語が交互に語られていき、やがて一つに交わっていくという構成は、『鹿の王』の徹底的に創り上げられた世界観をより深く体験することができるため、本作にふさわしいスタイルだと思う。

また二人の性格がまるっきり異なるため、要所要所で気分転換しながら読み進められるのも良い。

 

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ヴァン:アラフォーの王、こういう男が好きな女性は多そうだ

 

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ホッサル:アラサー界のカリスマ、上橋女史はこんな男がタイプ?

 

 二組のカップ

 正直なところ『鹿の王』に大きな魅力の一つに二組のカップルそれぞれの男女間の絶妙な距離感がとても良いというのがある。一方は公認カップルではないのかもしれないが、それでもこんなお似合いな男女は見たことがないぜ!というレベルなのだ。

個人的には特にヴァン(+ユナ) ✕ サエの絶妙極まりない絡みが好きで好きでたまらない。細かいことは本編で読んでいただくとして、すべてを失ったアラフォー男といろいろ失ったアラサー女ですぞ。

思わず「アオォォーーーーン!」と叫んでしまうような何とも言えぬシチュエーションの妙技をぜひとも読んでみてほしい。絶対この本児童書じゃないな。間違いない。

 

そしてホッサル ✕ ミラルである。この二人は上記のカップル(?)と比べると普通にお似合いな男女という印象しかないかと思いきや、二人には身分の差というよくあるパターンをうまく利用した心理描写(特にミラル)が面白い。

結婚する気がないのにいつまでもアラサーに近づいた女と付き合う男は必読だし、その逆もまた然りだろう。

 

 

 

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サエ:幸薄い系アラサー女の神

 

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ミラル:主役級なのになぜか公式イラストなしの可哀そうな女

 

 本気の医療ファンタジー

 この手のジャンルの小説は、あらすじを多く語り過ぎることですらネタバレになり読む意欲を削いでしまうので深くは書けないが、『鹿の王』はずばり伝説の病”黒狼熱”に対抗すべくワクチン開発をする物語と、その”黒狼熱”をとある理由から政治的、軍事的に利用しようとする集団の物語である。

どの作品でも一切の手加減をしない上橋菜穂子女史だが、『鹿の王』ではファンタジーにも関わらず、細菌やウイルスに関してとても深く研究されたうえで書かれているようで、医学について学ぶことがとても多い。

私を猛威を奮った新型コロナウイルスによるコロナ渦中に『鹿の王』を読んだため、それなりに学ぶことができたと感じている。

また『鹿の王』は”黒狼熱”をめぐって様々な勢力の思惑があるという点で、ミステリー的な手法やサスペンス要素が強く、全体的に見ても結末から逆算して完璧に設計構築された物語という印象が強い。

好みは人それぞれだろうが、私個人的には『鹿の王』は一番完成度の高い作品だと考えている。

 

 

万人におすすめできる

 冒頭で『鹿の王』はやや読みずらいと書いたが、本作は老若男女問わず楽しむことができる作品である。むしろ子供に読ませてはいけないのではないかと思うくらい大人向けだ。

著者の大長編『守り人シリーズ』や『獣の奏者』と比較しても、起承転結がとてもしっかりしいて完成度が高く、なおかつキャラクターも素晴らしく魅力的なため上橋作品を始めて読む方や、ファンタジー慣れしていない方にも自信を持っておすすめしたい。

 

『鹿の王 水底の橋』

 

 伝説の病・黒狼熱大流行の危機が去った東乎瑠帝国では、次の皇帝の座を巡る争いが勃発。そんな中、オタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医の真那に誘われて恋人のミラルと清心教医術発祥の地・安房那領を訪れていた。そこで清心教医術の驚くべき歴史を知るが、同じころ安房那領で皇帝候補のひとりの暗殺未遂事件が起こる。様々な思惑にからめとられ、ホッサルは次期皇帝争いに巻き込まれていく。『鹿の王』、その先の物語!

 

 『鹿の王』の後の物語だが、外伝的な内容となっており前作の主人公の一人ヴァンやユナ、サエといった主要人物が一切登場せず(サエ派の私にはそこがめっちゃ悲しい)、本編の主人公の一人ホッサルとその彼女ミラルが主役の物語である。

またスケールの大きかった本編とは異なり、医療に深く関わるという点で共通しているが、深刻でありながらもコンパクトなスケールにおさまっている。

 なので本編の時から比較的希薄だったファンタジー要素はますます薄れ、医療サスペンス ✕ 恋愛小説といった感じに仕上がっている。

ヴァンとサエが出なかったり、本編からあまり繋がっていなかったり、漢字ばかりの登場人物という点で、「微妙かなぁ....」なんて思っていたら、どんどん面白くなっていき、後半は一気読みに近いペースまで加速させられるほどのめり込んでしまった。

つまり『水底の橋』も傑作なのである。ヴァンとミラルの行く末もしっかり見届けられて本当に良かったと思える作品だ。

 

鹿の王 水底の橋 (角川文庫)

鹿の王 水底の橋 (角川文庫)

 

 

 ヴァンを主役とした続編が読みたい!

 『鹿の王』本編も外伝『水底の橋』も素晴らしい作品であるがゆえに著者に望むことがただ一つ。

ヴァンたちのその後が読みたい!!」というものである。なんなら次も外伝的な話にしてユナやサエを主人公にしても良いと思うんだよなぁ。キャラクターが魅力的というのは嬉しい反面罪深い。同人の意義を『鹿の王』に思い知らされたようである。

アニメ化もされるようだし『鹿の王』は上橋作品としてのみならず、日本を代表するファンタジー小説として後世に読み継がれていく偉大な作品となるだろう。

 

鹿の王文庫全4巻セット(角川文庫)

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精子乱れ打ち!最強に抜けるエロ本|『ビアンカ・オーバースタディ』筒井康隆

SF御三家の巨匠、ご乱心

 

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ただの萌え本かと思ったら大間違い

作品紹介

 筒井康隆による『ビアンカ・オーバースタディ』は2012年に星海社FICTIONSより出版された200ページ弱の長編である。本書が出版された際の筒井御大の年齢は77歳、見習うべきチャレンジ精神だ。

 文豪である筒井康隆ラノベ??となること請け合いだが、角川文庫から再販された谷川流の『涼宮ハルヒの憂鬱』の解説にて筒井本人の解説によると、ずばり涼宮ハルヒシリーズが売れまくっていることに着目して書いてしまったということだ(ちょっと適当だけどだいたいそんなことを言っていた。)

涼宮ハルヒ自体がSFで『時をかける少女』の影響を少なからず受けているものと思われるが、『ビアンカ・オーバースタディ』は『時をかける少女』に涼宮ハルヒを足して.....圧倒的にエロくした小説である(笑)

本書は内容、読みやすさ、ページ数、エロさと人にすすめたく要素を完備しており、また著者自身がおっしゃっている通りメタラノベでもあるので、ラノベを読みなれた方であればより一層楽しめるかと思う。

どれほどクッソエロいのかをメインに紹介したい。

 

 以下、あらすじの引用

あらゆる男子生徒から熱視線を浴びまくる超絶美少女・ビアンカ北町は、生物研究部員としての生殖の研究が大好き。ウニを使ったいつもの実験に飽き飽きしていたところで、ついに閃いてしまう。毎日凄まじい愛の波動を送ってくる可愛い後輩・塩崎哲也に、研究に協力してもらおう!そんな中、部活の先輩・千原信忠が実は未来人だったと判明して!?まさかまさかの美少女ライトノベル、まだ見ぬ筒井康隆の新世界、開幕!

 

ビアンカ・オーバースタディ (角川文庫)

ビアンカ・オーバースタディ (角川文庫)

  • 作者:筒井 康隆
  • 発売日: 2016/05/25
  • メディア: 文庫
 

 

読んだきっかけ

 角川文庫版『涼宮ハルヒの憂鬱』の筒井康隆による解説を読んだことがきっかけである。その解説では涼宮ハルヒシリーズについて素晴らしい解説をするだけでなく、あろうことか自身の著書『ビアンカ・オーバースタディ』を宣伝するという大物限定の裏技を披露しており、見事にその宣伝に釣られてしまったのだ。

 また70歳を過ぎた大御所が書くラノベというのがどんなものなのか好奇心をそそられたのも大きな要因だ。ただのラノベにならないことは想像していたが、ページを開いてみて早速「えっ.....!?」となり、読み終えてみると「やっぱり只者ではないなぁ」と思い知らされた。

偶然出逢えたことを神に感謝したい。

 

スペルマ??

 ページを開いて章のタイトルを見てみると「哀しみのスペルマ」「喜びのスペルマ」「怒りのスペルマ」「愉しきスペルマ」「戦闘のスペルマ」と確認できる。

ん?.....スペルマって精液って意味じゃなかったっけ、他にも意味はあったのかしらん」と疑問に思ったのだが、ググるのが面倒くさくて第一章を読んでみてびっくり。

狙ったとしか思えない直球のエロ、ビアンカ様の手コキ射精である。意表を突いた展開にページをめくる手が進む....のではなくちんこをしごきながら読むことになってしまった。この時初めて電子書籍の最大のメリットに気付く....そう電子書籍であれば左手で端末を持ち、右手でシコれるという事実である。

また第一章を読んだことでもう一つ大切なことを認識した。
オナニーはせつない」のである。もちろんそれは射精を伴うオナニーであり、女であればいくらでもやりまくるのが良かろう。おっとっと。

これ以上はネタバレになるので止めておくが、以降の章でも喜びや怒りなどの文言に見合った圧倒的なエロ描写が続く。倫理的にもアウトである。

こんなエロくて抜ける小説を書いてくださったお爺さんには感謝するしかない。

 

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ページを開くや否や困惑

 

エロ過ぎる実験

 『ビアンカ・オーバースタディ』は何から何までエロい。手コキによる搾精シーンの連発も感動ものだが、搾取した精液は生物研究部員としての生殖の研究のために利用するのである。

精液を利用してどんな実験をするのかは読んでみてのお楽しみだが、筒井康隆と言えば日本SF御三家の内の一人。膨大な知識の中からひねり出されたであろうリアリティを伴ったSF的実験は「おいおいマジかよ」と唸らずにはいられない。しかも実験自体がめちゃくちゃエロく、実験シーンでも気が付けばちんこを握っているという事態に....。

この本を読んだことで猛烈に電子顕微鏡が欲しくなってしまった。

 

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こらっ、何しとるんじゃい

 

完全無欠な萌え

 この本を読んで感じたのは、筒井大先生はライトノベルというジャンルと萌えについて知り尽くされているということである。
天性の才能なのか研究に研究を重ねた結果なのかは分からないが、登場人物やセリフ、シチュエーションなどどこをとってもラノベ的であり、なおかつ萌え要素を完璧に押さえている。

 私はアニメオタクではないため、本当の萌えを理解できていないのかもしれないが、そんな私が最高の萌え作家だと感じている作家に横溝正史がいる。そんな大横溝が描く萌えキャラが天性のセンスや性癖によって生み出された妖精だとすれば、筒井御大の萌えは計算され尽くして生み出された怪物である。(おらいったい何言ってるんだろう)

ビアンカ・オーバースタディ』に登場する三名の女性は誰もが萌えている。しかもいい具合にラノベオタクやアニメオタクに微妙な感情を呼び起こさせることだろう。童貞の感情を逆撫でするといったところだろうか。まぁとにかく文豪の描く萌えを読んでみてほしい。

 

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しかし拙者は黒髪ロング派

 

精巣の夢

 本書のエロは素人からベテラン、アマチュアからプロまであらゆる層に対応しているのも魅力的なセールスポイントである。

この世には異常な性癖を持つ人間(俺)がいるものであり、そういった一族は普通のエロだけではすでに満足ができなき唸ってきているのである。そんな変態キチガイでもこの本は感涙するほど素晴らしいシーンがあるのだ。

どうしてここまで分かっているのだろう.....夢が叶い申した。変態の方々には自信を持っておすすめしたいものである。

 

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ありがとう

 

そしてガチSF展開

 終盤に至るころにはもうシコり過ぎてしまったせいか、脳がボーっとしてしまっていたのだが、最後の章で一気にSFになるとともに著者のペダンティックな文章が炸裂して目を覚ますこととなった。だっていきなりハイデガーカール・マルクスの名が出てきたり、資本主義の行く末が語られたりするんですもの。ちなみにSF戦闘シーンはセンスが良すぎてめっちゃ笑える。

アニメやラノベの二次元女に萌えてなよってしまった最近の若者に対する著者の主張が垣間見えたようで、昭和最後の民である私なんかは「ふむふむ、そうだよな」と妙に納得してしまうのだ。

ちなみに私は妻子ある身だが、我が弟(アラサー独身警察官)の部屋には萌えフィギュアとエロ漫画、萌え抱き枕(×2)があることを鑑みると、やはり人類は滅亡するのではないかと思ってしまう次第である。

ちなみに拙者はポニーテール涼宮ハルヒに一票。

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あぁ....たまらん。おらも買ってしまおうかしら。

 

全男必読の書

 冗談抜きで『ビアンカ・オーバースタディ』は我が生涯最高の本のうちの一冊に仲間入りした。様々な思惑が込められているように思われるし、エロくて読みやすくて面白い。なんなら義務教育の国語の教科書にでも入れてほしいものである。

筒井御大の小説は何冊が読んでいるが、私は『時をかける少女』よりも断然『ビアンカ・オーバースタディ』を推す。

あの世に旅立つときは棺に入れてほしいものである。超おすすめ。

 

ビアンカ・オーバースタディ (角川文庫)

ビアンカ・オーバースタディ (角川文庫)

  • 作者:筒井 康隆
  • 発売日: 2016/05/25
  • メディア: 文庫
 

 

 

萌えてる神SF|『涼宮ハルヒの消失』谷川流

タイムトリップSFの超傑作

 

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この装丁のおかげで出逢うことができた。ありがとう。

作品紹介

 谷川流による『涼宮ハルヒの消失』は涼宮ハルヒシリーズの4作目で、2004年に角川スニーカー文庫より出版された概ね250ページの長編である。

 説明不要の知名度を誇る作品だが、ラノベを読まれる方やアニメ好きな方でなければただの学園コメディだと思われるのではないだろうか。
かく言う私も名前だけは知りつつもどんな内容なのか知らなかったのだが、角川文庫から再販された1作目『涼宮ハルヒの憂鬱』の装丁が美しくてジャケ買いしたところ、予想を裏切る本格的なSF作品であることを知った。

 シリーズ作品の4作目ということもあり、やや敷居が高いかもしれないがとても完成度の高い正統派SFなので布教すべく紹介したい。

 

 以下、あらすじの引用

 「涼宮ハルヒ?誰のこと?」珍しく俺の真後ろの席が空席だった12月18日の昼休み。颯爽と現れてその席に座ったのはハルヒではなく、長門との戦いに敗れて消滅したはずの委員長・朝倉涼子だった。困惑する俺に追い打ちをかけるように、名簿からもクラスメイトの記憶からもハルヒは消失していた。昨日まで普通だった世界を改変したのは、ハルヒなのか。俺は一縷の望みをかけて文芸部部室を訪れるが―。

 

涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

  • 作者:谷川 流
  • 発売日: 2019/02/23
  • メディア: 文庫
 

 

読んだきっかけ

 角川文庫から再版された本シリーズの装丁が非常に美しいことと、解説が日本SF界の大御所である筒井康隆だったのでついつい買ってしまったというのが経緯である。

もちろんただ装丁に釣られて買っただけではなく、ずいぶん前から”SF小説 おすすめ 国内”でググるとそれなりに名前を見かけていたため、果たしてどんなSF作品なのかと興味があったという事情もあった。

装丁がオタクっぽかったり文体が稚拙だったりとラノベにはあまり良い印象を持っていなかったのだが、筒井康隆が解説したというだけで買ってしまうのだからやはり権威ある方の解説は重要だなとあらためて思う次第だ。

 

消失までの作品は前座

 『涼宮ハルヒの消失』のすごいところは1作目の『涼宮ハルヒの消失』と3作目の『涼宮ハルヒの退屈』収録の短編「笹の葉ラプソディ」が重要な伏線になっていることだけでなく、2作目の『涼宮ハルヒの溜息』やその他の短編作品もカタルシスを高める重要な要素となっていることである。

著者が1作目を書いていた時どこまで構想していたのかは知らないが、1作目から順番に読んだ時の”消失”の破壊力は絶大だ。

ちなみに涼宮ハルヒシリーズは時系列がばらばらなので、5作目の『涼宮ハルヒの暴走』収録のアニメでは伝説になった短編「エンドレスエイト」にも伏線が貼られているという謎のタイムスリップ仕様である。

ちなみにアニメで「エンドレスエイト」を見てみたら.....これはキツい。そりゃあバグってしまうわい。

 

歴史改変×タイムトラベル×ミステリ

 『涼宮ハルヒの消失』は歴史改変....というか世界改変されたり、複数の時間軸に行ったりとSFの王道ネタをばっちり押さえている。また世界を改変した原因は何なのか、世界を元に戻すにはどうすればよいのかといった魅力的なミステリにもなっている。

クリスマスパーティの企画といういかにもラノベチックなシチュエーションから、突然主人公以外のすべてが変わってしまっているという謎展開。主人公と同じ気持ちになりながら怒涛の一気読みをすることになるだろう。

書評家として有名な大森望氏によると谷川流は作家デビュー前にSFや本格ミステリ小説の書評をしていたとのことで、ラノベとは思えないような本作の尋常ではない完成度の高さにも頷ける。
SFが好きなので、こういったネタのSFは小説だけでなく映画でもそれなりの作品を見てきたが、『涼宮ハルヒの消失』は完成度だけでなく分かりやすさ、読みやすさ、キャラの魅力といった点でSF初心者からマニアまで幅広く楽しめるクオリティだと自信を持って言える。

 

せつない真相と大きなカタルシス

 ネタバレはしないので詳細は伏せるが、『涼宮ハルヒの消失』の事件の真相はとてもせつなく、事件の原因となった〇〇に対して複雑な気持ちになること必至である。

シリーズ作品として伏線を積み重ねてきたからこそこそできる、強大なカタルシスをぜひとも味わってほしい。
ちなみに知ったかぶってカタルシスという単語を使ってみたが、つまり「うひょーーーーーーーー..............はぁ......」という意味だと考えてほしい。

なお前述もした5作目の『涼宮ハルヒの暴走』を先に読んでおくとさらにカタルシスはでかくなるかもしれない。

 

結局は萌え

 さて、私は原作を読んだうえでアニメも見ている。
だから登場人物はアニメをベースに自分好みに改変して脳内妄想しているのだが、消失の萌えといったら.....おらの期待に100%応えてくれている。神様ですか。

涼宮ハルヒ長門有希朝比奈みくるを筆頭に異なるタイプの萌えを秘めたキャラクターが登場する本シリーズだが、おらは黒髪ロングポニーテールマニアなのです。

まさに主人公キョンと同じ心境なのだが、『涼宮ハルヒの消失』では消失ハルヒとも称されるTシャツ下ジャージ黒髪ロングポニーテールという最終萌え兵器が発動されるのである。
正直仮に物語がつまらなかったとしてもこれがあるだけで大満足なのです。

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(*´Д`)ハァハァ.....すべての萌えを超越した。

 

 楽しい小説が読みたいなら読むべし!

 はっきり言って『涼宮ハルヒの消失』は超傑作だと思う。

練りに練られたプロットやネタの良さ、魅力的なキャラクター、読みやすいページ数などなど欠点がまるで見あたらないのだから間違いない。

面白いことは保証するが、シリーズ作品に敷居の高さを感じるならまずはアニメ版をおすすめしたい。

 


「涼宮ハルヒの消失」劇場版予告編

 

涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

  • 作者:谷川 流
  • 発売日: 2019/02/23
  • メディア: 文庫