神本を求めて

小説を読みまくって面白い本を見つけたら紹介するブログ

読んで後悔した地雷小説20選|時間を無駄にする読むべきではない小説ランキング

ビジネスマンにとって時間は命より重いッ!

 

多忙ビジネスマンに時間のロスは許されない

まずはじめに

私は東証一部上場IT企業の中間管理職である。このブログをお読みいただいている方は2022年9月頃から更新頻度が激減していることに気付かれているかもしれない。
そう、2022年7月からワンランク上の役職に昇格してしまい、そのせいでもはや本を読む時間の確保とブログを書く時間を確保することさえ難しくなってしまったのだ。
ビジネス書などをそこそこ読んだ結果、私の考えとしては個人年収500万程度で世帯収入として600万円くらいあれば十分、というより世帯収入600万円で満足できる精神を構築することが真の成功だと考えている。
したがってこれ以上昇格はしたくないし、むしろ役職を蹴って平社員に戻りたいとすら思っているといった状況の中、この記事を執筆時点でさらに昇格してしまい、若い社員は私を見るだけでペコペコするような地位になり、いよいよ最悪な状況に陥った。時間が何よりも惜しい....こんな状況が私にこの記事を書かせる原動力となったのである。
このブログ『神本を求めて』では私が好きな本のみの紹介に専念しており、基本方針として好きな本しか紹介しない方針を貫いていた。しかしながらそろそろディスる系の記事を書いてみるのもいいだろうということで、以下のルールに則り徹底的にこき下ろしてみたい。

ルール

  1. 世間的に知名度が高く人気作品であること
  2. つまらない本ではなく世間的評価の割には微妙だったこと
  3. エンタメ作品であること
 

20位  残像に口紅を / 筒井康隆(1989年)

 

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい…。言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。

 

稀にみる神本である。ではなぜこのランキングに挙げたか。

それは芸能人やSNSで過剰に紹介されてしまったからである。私は筒井康隆を崇拝しており、本作は筒井康隆でしか成し得ない稀代の超絶傑作である。しかし普段そこまで本を読まない人が芸能人やSNSの影響で、天才による実験小説である本作を手に取ったら何が起こるだろうか。ずばり本嫌いが一人量産されるのである。

インフルエンサーにはぜひとも責任をもって本を紹介していただきたいものだ。これで本嫌いや筒井康隆嫌いが誕生したらどうしてくれるんじゃい。

 

 

19位  そして誰もいなくなった / アガサ・クリスティー(1939年)

 

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。

 

まさに王道 of the 王道の神孤島ミステリである。

犯人・トリック・動機とどこをとっても欠点の無い永遠に読み継がれるべき作品だが、有名過ぎるがゆえに数々のオマージュを生み出し、その中には屈指の完成度を誇る綾辻行人の『十角館の殺人』も含まれている。

何が言いたいかというと、『そして誰もいなくなった』は完璧な作品だが、ミステリとしての完成度やエンタメ性でいえば『十角館の殺人』の方が上回っていると判断するため、あえて読む必要がないということである。

 

 

18位  むかし僕が死んだ家 / 東野圭吾(1994年)

 

「あたしには幼い頃の思い出が全然ないの」。7年前に別れた恋人・沙也加の記憶を取り戻すため、私は彼女と「幻の家」を訪れた。それは、めったに人が来ることのない山の中にひっそりと立つ異国調の白い小さな家だった。そこで二人を待ちうける恐るべき真実とは…。

 

東野圭吾は超人である。どんなジャンルも書けるうえに、そのクオリティがずば抜けているからだ。その異常な高品質っぷりはゴーストライターが10人はいるのではないかと邪推してしまうほど凄まじい。

そこであえて本作をランクインさせる。東野圭吾の本領発揮分野を本格/社会派含むミステリだとすると、本作はミステリー要素は持ちつつもモダンホラーのような雰囲気を持つ作品のため、これはこれで凄い完成度なのだが、いまいち他の作品に比べるとインパクトが足りないのである。

とはいえこのジャンルでこのレベルの作品には滅多に出会うことがないため、素晴らしいといえば素晴らしいのだが、あえて東野作品で読む必要はないという考えである。

 

 

17位  儚い羊たちの祝宴 / 米澤穂信(2008年)

 

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。

 

はっきり言って嫌い過ぎて発狂しそうな作品の一つである。

私は読書歴が比較的少ない時期に世間的な評判に惑わされて本作を読んでみたのだが、読んだ感想は「は?きもっ」であった。歯に衣着せず発言しているTwitterでは本作を昔からけなしまくっているのだが、そのたびにフォロワーが減少するので、やはり世間的には評価は高いのだと思われる。

本当にこの本のどこが良いのかさっぱり分からない。そこはかとなく溢れ出る童貞臭さに頭がおかしくなっていまいそうである。おまけにラストもくだらな過ぎて拍子抜けにもほどがある。

まぁ著者自身は非常に高い力量を持っていて、ラノベも書いているのでライト層向けの作品と思えば読みやすさという点で良さはあるのかもしれない。

 

 

16位  獄門島 / 横溝正史(1947年)

 

門島――江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与えたミステリーの金字塔!!

 

東西ミステリーベスト100というオールタイムベストを決める企画で1985年、2012年と連続で1位を取った作品である。

動機と犯人はちょっとやり過ぎた感はあるが、当時の日本の環境だからこそ成立した事件だと思えば完成度は非常に高い。....のだが、他の横溝作品と比べるとインパクトも少なければ、エンターテイメント性も劣っているように思えてならない。

デビュー作『本陣殺人事件』のトリックは神をも凌駕する超変態インパクトだし、『八つ墓村』には飛び抜けたエンタメ性がある。そういった作品群と比べるとかなり微妙な感じなので、あえて読む必要はないと判断した。

 

 

15位  慟哭 / 貫井徳郎(年)

 

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。

 

 基本的には大変優れた作品である。著者の執筆時の年齢を考慮すると驚くほどこなれていおり、著者の実力の高さを知らしめる内容でもある。

ではなぜこのランキングに挙げたのかということだが、本作は「あのトリック」が使われていることでも有名だからである。本格ミステリにハマりかけの人がこの本にあのトリックを期待して読んだらどう思うだろうか。

正直なところあのトリックの完成度で見れば、かなりレベルは低いと言わざるをえず、何冊かそっち系のトリックを読んでいればすぐに気づくと思われるので、何の驚きを得ることもないだろう。というかこの本は物語自体を楽しむタイプの作品であり、本来社会派ミステリやイヤミス好きが読む本なので、本格マニアは肩透かしにならないよう気をつけた方が良いだろう。

 

 

14位  オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎(2000年)

 

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!

 

 伊坂作品は安定して面白い。そして安定してなんかイラっとくるのである。さらに言うとどの作品も同じタイプの読後感である。(伊坂信者に刺されそう....)

まぁ上記に同感の方もいると思うので書いてしまうが、伊坂作品はどれも似たような感じなのでどれを読んでも一緒だろう、それならばより面白い作品を読んだ方が良いだろうということで本作をランキングに入れた。『オーデュボンの祈り』ははっきり言ってあんまり面白くない。それでいて伊坂作品の悪い要素がマシマシで詰め込まれている。ずばり伊坂デビュー作が読みたいという人以外は読む必要はないだろう。

しかし伊坂作品って本当に毎回似てるよなぁ.....クズが出てきて天誅をくだすというパターンは初っ端からできあがっている。

 

 

13位  ラットマン / 道尾秀介(2008年)

 

結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。本当の仲間とは、家族とは、愛とは―。

 

私が考えるくだらない小説の要素を100%備えた作品である。ちなみにかなり伊坂幸太郎っぽくて驚いた記憶がある。

最もくだらない小説の一つに、事件が起こる系の内容なのに肝心の事件がまるで興味をそそられない、というものがある。この本はそのパターンの要素を完膚なきまでに備えているのである。どうしてこういう本が評判になるのか私にはさっぱり分からない。どんでん返しに次ぐどんでん返しなどと言われているが、登場人物の心境の変化に過ぎずがっかりし過ぎて発狂しそうになった。

まぁ私はヒューマンドラマ系の作品は例外なく大嫌いなので、相性が悪かったと言えばそれまでだが、どんでん返しを期待しても全然ダメだろう。売ろうとして書いているとしか思えないラストも耐え難いものがある。これぞ時間のムダである。

 

 

12位  くちびるに歌を / 中田永一(乙一)(2011年)

 

長崎県五島列島のある中学校に、産休に入る音楽教師の代理で「自称ニート」の美人ピアニスト柏木はやってきた。ほどなく合唱部の顧問を受け持つことになるが、彼女に魅せられ、男子生徒の入部が殺到。それまで女子部員しかいなかった合唱部は、練習にまじめに打ち込まない男子と女子の対立が激化する。一方で、柏木先生は、Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙~拝啓十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課した。そこには、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた。

 

 私は乙一大好き人間だが、乙一が本領発揮するのは短編~中編程度の短めな作品だと考えている。さらに言うと中田永一名義の作品はあまり好みではない。

上記のような前提があっての評価だが、果たして『くちびるに歌を』は推薦図書になったりするほど評判になるべき作品だろうか?答えは否である。はっきり言って乙一の全作品の中でもキレがなくハズレの部類だと思わざるを得ない。

ガッキー主演で映画化されたのは大変素晴らしかったし、映像向けの作品であることは間違いないが、どう考えても乙一作品としては色々な要素が欠けているので、時間のムダだと感じてしまう。

 

 

11位 アンドロイドは電気羊の夢を見るか / フィリップ・K・ディック(1968年)

 

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しかえず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。

 

普段小説を読まない意識高めな方が手に取りがちな作品である。(勝手なイメージ)

圧倒的なネームバリューの高さと、それに正比例する超絶的読みづらさを合わせ持ち、意識高い系を滅殺する小説兵器である。

PKDは間違いなくSFのレジェンドだが、どの作品も基本的には読みづらく、物語としてのエンタメ性には乏しい。知名度の高い本作も例外ではなく、原作に勝るとも劣らない知名度と完成度を誇る映画『ブレードランナー』を見ても理解するのが難しいほどである。絶対に素人は手を出してはならない。時間のムダである。

 

 

10位  贖罪 / 湊かなえ(2009年)

 

15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。娘を喪った母親は彼女たちに言った―あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結末は!?

 

 イヤな話を書きたくてがんばっちゃいました感全開な作品。

ミステリーとして評価されていなければ、ここであえて書くような作品ではなかったのだが、海外でもやたら高く評価されているということで槍玉に挙げる

正直なところ劣化版『告白』と言わざるを得ない完成度で、とにかく無理矢理感が半端ないのである。イヤミス作家ってどうしてわざわざイヤミスにこだわるのだろう。まぁ読者や出版社が求めているからであろうことは間違いないのだろうが、あまりにもくだらないしただのやらせにしか感じない。

そもそも被害者の母に咎められる理由がさっぱり分からん。ご都合主義である。

 

 

9位  ユージニア / 恩田陸(2006年)

 

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ―。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を?見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか?

 

 あたりはずれの大きさが他の追随を許さない(笑)作家、恩田陸

そんな恩田作品のダメな部分を極限まで濃縮還元したのが、まさかの日本推理作家協会賞を受賞してしまった『ユージニア』である。何で恩田陸っていつもこうなんだろう.....と思わざるを得ないフワッとした結果には多くの人が発狂するだろう。もちろん時間のムダである。考察厨はすぐにくだらない考えを停止すべきだ。

ちなみに私は恩田陸の作風は大好きである。ハズレ作品も含めて嫌いではないのだが、どうしても納得できないのは著者のスタンスである。どうやら作家の矜持としてそれなりの頻度で作品を上梓することを重要視しているようだが、それは読者にとっては迷惑ではなかろうか。1年に一冊未満のペースでも構わないので、作家には1冊1冊にすべてをかけていただきたいものである。

 

 

8位  殺人鬼フジコの衝動 / 真梨幸子(2008年)

 

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。人生は、薔薇色のお菓子のよう…。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか?あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリ。最後の一行を、読んだとき、あなたは著者が仕掛けたたくらみに、戦慄する!

 

 何の魅力もない最低の小説。先に行っておくと真梨幸子の気合の入ったイヤミスは嫌いではない。特にメフィスト賞受賞したデビュー作の『孤虫症』や『みんな邪魔』あたりは本当に最高である。

しかし本作と言ったら....サイコキラーやエログロが書きたかったのかもしれないが何もかもが中途半端で著者の魅力がイマイチ発揮されておらず何もいいところがない。ヤバい描写を書きたいのなら徹底的に研究し、その一点のみにすべての力を注いでほしいものである。

もちろんこんな本は読むだけ時間のムダであり、このレベルの内容の作品がベストセラーになってしまったのは異常事態である。ちなみに続編も読んだが(時間に余裕のあったあの頃に戻りたい...)そもそもくだらない前作に後付け設定モリモリ仕様なので言うまでもなくつまらないし、ますます読む価値はないので気をつけてほしい。

 

 

7位  凍りのクジラ / 辻村深月(2005年)

 

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。

 

辻村作品は他にも腸が煮えくり返る級の作品が、いくつもあるのだが(じゃあ読むなよというツッコミはなしで)、シンプルに最悪なのが『凍りのクジラ』だろう。

これを読んで良いと判断する人は完全に病気である。なぜこの著者はクソ女が他を見下す描写がここまで好きなのだろうか。気が狂っているとしか思えない。本作を好きだという人については人格を疑うレベルである。

クズのような登場人物と中身がないのにやたら分厚い分量、時間をムダにする要素がフル搭載されている。ドラえもんを汚した罪も重い。7位にして真打の登場である。

 

 

6位  ジェノサイド / 高野和明(2011年)

 

イラクで戦うアメリカ人傭兵と、日本で薬学を専攻する大学院生。まったく無関係だった二人の運命が交錯する時、全世界を舞台にした大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは何か。そして合衆国大統領が発動させた機密作戦の行方は―人類の未来を賭けた戦いを、緻密なリアリティと圧倒的なスケールで描き切り、その衝撃的なストーリーで出版界を震撼させた超弩級エンタテインメント

 

圧倒的に完成度を誇る作品である反面、がっかり感もまた尋常ではない肩透かし作品である。まず先に書いておくと超実力のある作家が構想10年くらいかけて書けるかどうかといった気合全開のクオリティである。

しかし著者の露骨な思想が物語にはどう考えても無関係だろうというレベルまで、モリモリ描かれ、しかも日本人として不快と感じる描写がやたら多いため、興ざめすること甚だしい残念過ぎる作品に仕上がっている。どうしてこうなった....という言葉はこの作品のために想像された言葉である。

また思想云々を抜きにしても、本作では人類を超越した超絶頭の良いキャラが登場するのだが、これと言って天才プレイを魅せていないため、そのあたりに著者の限界を感じてしまった次第である。

間違いなく読む価値はある作品だが、エンターテイメントとしては失敗作である。結局は時間のムダということになる。

 

 

5位  イノセント・デイズ / 早見和真(2014年)

 

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は…筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。

 

究極レベルのマジキチ作品である。否、別にこの本がどうこう言うわけではなくこの本を読んで感動したといった感想を挙げる人間が真正のキチガイなのである。あろうことか日本推理作家協会賞を受賞していることも納得できない。

この本を最後まで読んで思ったことはただ一つ。「死にたい人が死んでなんか問題あるの?」である。ぜひとも勝手に死んでいただければと思っているし、死にたがりが死ぬことについて何も考える必要などないのである。

私はSNSの影響で本作を手に取ってみたのだが、この本にあれやこれやの感想を見て正直言って本当に気持ち悪く、背筋がゾッとしたのを覚えている。

 

 

4位  図書館戦争 / 有川浩(2008年)

 

2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?

 

完全にぶっ壊れである。私はSF好きという理由から著者や本作のことをあまり調べず手に取ったのだが、とち狂った設定に呆れ果てて読み終わるや否や合わせて揃えておいた続巻を処分した経緯がある。

そもそもSFっぽい世界観にした理由がさっぱり意味不明である。高校生が学校内で喧嘩しちゃいました(笑)くらいの設定にしておけば、自然だし読者層も著者の守備範囲に収まった思うのだが一体どうなっているのやら。

何もかもミスマッチしている変態作品である。作中で死んだ人はおバカ過ぎてもはや笑うしかない。

 

 

3位  同志少女よ、敵を撃て / 逢坂冬馬(2021年)

 

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

 

最低最悪の気持ち悪いラノベである。もうこれはあまりの酷さにラストは本を破り捨てたくなった....けど衝動を抑えてメルカリで売りました(笑)

はっきり言うとキモい童貞がモテたくてフェミニズム書いちゃいました☆的な感じで、とにかく極限まで気持ち悪く、残酷なまでに童貞臭が放出されているのである。主人公サイドが捕らえられて拷問、レイプの挙句殺されるような展開であれば評価は跳ね上がったと思うのだが、救いようがないキモさMAX設定に恐れ慄くしかない。著者が女性であればまだこの展開でも説得力があるのかもしれないけど、キノコおじさんではちょっと....。ちなみにジェノサイドと同じくイエーガーが登場する。イエーガーはエレンだけで十分なのです!

なおこの本は読書メーターで徹底的にこき下ろしたところ、かなりの数の反応をいただいているので、私以外にも同感の方は多いと推測される。

 

 

2位  葉桜の季節に君を想うということ / 歌野晶午(2003年)

 

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。

 

不快極まる最低の作品である。とにかく気持ち悪い。

読む意味がないので、このブログの方針に反してここではっきりネタバレするが、読んでみたい人はネタバレを読まないように気をつけてほしい。

以下、ネタバレ注意

主要登場人物がジジイとババアである。若者と思わせて高齢者であることが叙述トリックとなっている。はい、おしまい。

読者をはめるためだけに冒頭からセックスシーンで始まります。おじいちゃんの。読者を騙すためだけに書いた最低の小説なので間違っても読まないようにしよう。ネタバレの内容が全てなので10秒で読んだことにしてよろしい(笑)

 

 

1位  カラフル / 森絵都(1997年)

 

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。

 

 最低最悪の害悪図書である。母親でこの本を子供に薦めたいなどと抜かしているようならば、冗談ではなく死んだ方が良い。いいや死ぬべきである。私は2人の子供の親父としてこの本を発禁にすべきだと考えている。

 なぜかというとこの本ではクソビッチの援助交際シーンある。世の母親でこの本を子供に読ませたいというのは、子供に援助交際をさせたいのだろうか?読むのが男であれば母親を憎み呪うようになり、子供が女であればクソビッチ開眼となるかもしれない。

この本を高評価するすべての大人にキチガイと言いたい。そして世の男たちは気をつけるべし。女という生命体は生まれつきちょっと狂っているのである。この本を読み、この本を褒め称える女を見て私は確信した。

最近は女をけなすようなことを言えない風潮があるが、昭和の男たちは当たり前のように言っていたし、今だってそうあるべきなのだ。

おっとっと、フェミニズムを語ってしもうたわ。とりあえずこの本はマジでヤバいので気をつけてほしい。

 

 

書いてるうちに憎悪が燃え上がってきた

本記事のコンセプトは世間的に高評価だが、個人的には残念だと感じた作品を紹介することであった。しかしいくつか心底憎悪している作品があるため、だんだん本音が爆裂するようになってきてしまった。しかしその分参考になるのではないだろうか。
小説は読めば読むほど飽きてきてしまい、1000冊くらい読んだだけで多くの本が時間のムダだと感じるようになるので、ここに挙げた本は読書慣れしていない人からすれば必ずしも時間のムダではないと思われる。実際、ベストセラーばかりなのでブックオフにいけば大抵は100円コーナーに並んでいるだろう。
気になる本があれば試しに読んでみてほしいが、いくつかの本は本気で読まない方が良いので、文章の温度感から判断していただけると幸いである。