ただセクロスしてるだけ...ヌけます。
作品紹介
山田風太郎による『くノ一忍法帖』は1961年に出版された作品である。
文庫版は330ページ程度の読みやすい長さで、ただひたすら変態プレイが繰り広げられる....そう、本作はマニア向けのエロ本である。
徳川家康に一族根絶やしにされるさ中、豊臣家の血を絶やさぬよう真田幸村が五人のくノ一に豊臣秀頼の子胤を孕むよう命じる。秀頼の妻である千姫とくノ一+助っ人が家康の放った刺客・伊賀忍者から子胤(お腹の中の胎児)を守るために戦うというブッ飛びつつも魅力的なプロットだが、登場する忍法の大半がエロ忍法で刺客の伊賀忍者が曲者揃いのせいでかなりのキワモノとなっている。
どれだけエロいのかはじっくり後述していくが、おバカ×エロを求めている方にはこれ以上の本はないのではないかと思われる。
なお直木賞作家の馳星周は童貞時代に本作をオカズにシコっていたというのだからお墨付きというわけである。
以下、あらすじの引用
大坂城を攻め滅ぼし、天下を手にしたはずの家康を驚愕させる情報がもたらされた。真田幸村の秘策により、信濃忍法を駆使した5人のくノ一が秀頼の子を身ごもった。しかもその女たちは愛孫・千姫の侍女の中に潜んでいるという。禍根を断つべく、家康は伊賀忍者の精鋭5人を呼び寄せ、隠密裡にくノ一たちを葬るよう命ずる。性の極致で繰り広げられる凄艶奇抜な忍法合戦。千姫と家康、勝つはのいずれの執念か。忍法帖の究極作。
エロ忍法のネタバレをしまくる
『くノ一忍法帖』はラスト以外はネタバレしてもさほど問題ないと思われるし、何よりネタバレ無しでは私の書きたいことが書けないのでおもいっきり内容に触れまくる。
というか本作は物語がオマケでただエロい戦闘とエロ忍法がメインで山田風太郎もエロバトルを書きたかっただけのような気がしてならない(笑)
エロいことを書くというのは面白いものよ。
ご想像にお任せします 「蛇まといの秘法」「吸壺の術」
追い詰められ死に瀕した豊臣秀頼が一晩のうちに五人の女を孕ます......いやいや不可能だろう(笑)と早速ツッコミどころ満載なのだが、そのツッコミに答えるが如く真田幸村がくノ一に言うのが以下のセリフだ。
「秀頼様は、この一両日、いたく御憔悴の体におわす。それに五人でかかるのであれば、蛇まといの秘法でおん腰を巻たてまつらねば相成らぬぞ。また、かならずおん胤をつかせねばならぬゆえ、吸壺の術を忘れるな」
なんだよその術......そんなのあれば不妊治療なんていらないではないか。しかもこの術はいずれも詳しいやり方は描写されない。
まぁ、ご想像にお任せしますというところだろう。エロい。
くらってみたい忍法「幻菩薩」使ってみたい忍法「くノ一化粧」
幻菩薩とは男だけに通じる忍法で、菩薩像を並べることにより発動し周りにあるありとあらゆるものがエロ菩薩となり快楽の限りを与えるという凄まじい幻術である。喰らった男はダメ人間になるので容易に殺されてしまう。
そして次に忍法「くノ一化粧」。くノ一が化粧をする?いいえ。
女とセックスすることによって、その女の姓を吸いきってその女に変身するという何ともエロい忍法なのである。
実用的なようで、いつどこで使うんだよ.....という笑える忍法なのだ。
極めつけに笑えるのはこの術の風太郎の解説が「いまの言葉でいうと、女性ホルモンの作用ででもあろうか」んなわけあるかよ......医学部卒の無駄遣いである。
忍法「天女貝」そして「穴ひらき」「恋しぐれ」
この忍法天女貝とはいったい....名称からしていかにもおまんこを何かしら使うのかしらん。などと思いつつ読み進めるとやっぱり(笑)
ただおまんこを強烈に締め付けるだけというアホ極まりない忍法だったのだ.....
いったいこの忍法は何に使うんだよと思ったらちゃんと有効活用するのが忍法帖仕様。天女貝と対峙するのは、一度犯した女が犯した男のことを狂うように求めるようになり、二度目にセックスをしたら死ぬという意味不明な忍法「穴ひらき」と精液をかけられた女の肌にしみこみセックスしたのと同様の効果を与え、次にセックスすると死ぬという「恋しぐれ」である。
ちなみに医学部卒の山田風太郎によるとこの忍法の科学的な根拠はアナフィラキシーショックとのことである。セックスってアナフィラキシー発動するの???またしても医療知識の無駄遣いだ(笑)
もはや双方の使用する忍法がアホ過ぎて泣けてくるのだが、これでなかなか面白いバトルになるのだからたまらなのだ。あぁエロい。
さらにこの伊賀忍者にまつ末路がまたクソ過ぎて笑える&抜けるのである。
忍法「やどかり」、リョナ御用達の忍法「日影月影」
完全に倫理を無視した忍法、それが「やどかり」である。
子宮内の胎児を妊娠していない他の女の子宮に移動させるという、この話のためだけに創られたかのようなクソ忍法であり、胎児を移植する際にはエロス極まりない凄絶なレズプレイを披露することになる。
次いで登場するのが、セックスした女に何%か乗り移って自在に操る伊賀忍法「日影月影」であり、この忍法を説明する際にこっそり孕んでいた妊婦に乗り移り、自ら腹を切り胎児を取り出すというリョナラーの手をちんこに走らせる変態エログロシーンが登場するのである。
ほんとにもう書きたいことを書きたいように書いただけのエロ本だよな、これは。当時はこういうのが許されていたのだろうか。今より厳しいようでゆるいというところか。
イって逝く...忍法「筒涸らし」
これなら死んでもいい....と思わせる男の夢の忍法、それこそが「筒涸らし」である。
そのネーミングの通り、犯された男(笑)が圧倒的な絶頂感のもとで無限に射精してしまい、すべての精液を出し切った後は干からびるまで血液をちんこから放出させ続けるという嘘みたいなクソ忍法なのである。
普通に考えれば、男を誘い込んで忍法にハメるというのがこの術の正しい使い道なはずなのに、『くノ一忍法帖』ときたら、幻術にかかり放心する男をくノ一が犯したり、伊賀忍者が戦闘中にくノ一にセックスすることで発動させるのだからたまらない。
山田風太郎が描く女はすべてこの世のものとは思えない美女らしいので、拙者も本作のようなシチュエーションになったら死んでもいいからヌいてもらってしまうかもしれない。
影で犯す、忍法「百夜ぐるま」
数少ないまともで使い勝手がよく、強力な忍法....それが忍法「百夜ぐるま」である。
影を操り、敵の影を強姦することでその女をうまいことコントロールしてしまうというふざけた効果の他、純粋に敵の影を攻撃するという正攻法な使い方もある。
しかしなんでまた影で強姦するなんて言うへんな発想が浮かぶのだろうか。影が犯され本体は快楽に包まれる。変態だ。
アホの極み、忍法「鞘おとこ」「人鳥黐」
すでにクソエロ忍法をいくつも紹介させていただいたが、まだまだ残念な忍法は尽きないのである。
それが皮を脱ぐ 忍法「鞘おとこ」と膠(にかわ)のごとき粘着力をもつ精液を操る「人鳥黐」である。そもそも「鞘おとこ」とはこの特殊な精液を体中に塗りたくっていざとなったら.....たとえばちんこを忍法天女貝で締め付けられた時(笑)に脱出するなどして使うことができるのだ。もちろん弾力性のある鎧にもなる、臭いけど。
この精液をいたずらにも使うなど、もはややりたい放題である。
鬼才の本気、忍法「羅生門」
何に使うのかさっぱり分からない忍術、それが「羅生門」である。
子宮内の胎児を操って攻撃(というか本編ではちんこを掴んだ)するという、これ以上ないほど変態かつ倫理崩壊のキングオブクソ忍法なのだ。
しかしエロミスの至宝『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』にてデビューしたメフィスト賞作家である早坂吝氏が、前代未聞のトリックと犯人と宣伝されていた某本格エロミス作品にて、忍法「羅生門」が使われていたのだから笑えてしまう。時代が山田風太郎に追いついたといったところだろうか。
ちなみに『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』は超おすすめである。
この記事をここまで読んで『くノ一忍法帖』に興味を持った方なら100%気に入るだろう。当然逆も然りである。
すごいけどエロい忍法「夢幻泡影」からのスカルファック
使い勝手は別として、そこそこ強烈な忍法が多い『くノ一忍法帖』において、もっとも強力な忍法が忍法「夢幻泡影」であろう。
おまんこから泡を放出し続け、その泡を見た男は自らその泡に飛び込んでしまう。その泡はさながら子宮のようであり、術にかかった者は赤ん坊帰りしてしまうのだ。
なんでおまんこから出すという設定にしたんだろう....もちろん変態だからです。
そして最後にリョナラー悶死のエログロシーンが炸裂する。
「夢幻泡影」後に帝王切開にて出産して死亡したくノ一の裂けた腹、肥大した子宮をみた伊賀忍者が、食虫花に魅入られたかのように吸い寄せられ、子宮に頭を突っ込んで窒息死するのである。
ほんとに大丈夫なのかな....これ。今じゃぜったいに許されなそう。
ほら、エロいでしょう
内容に触れるとか言いながら、エロ忍法のことを書いただけで結構長い文章を書いてしまった(笑)
そもそもこの作品は物語がオマケでエログロがメインなのでこうなるのも無理はないか。とにかくエロい奴や変態リョナラーであれば絶対に読むべし!超おすすめじゃ!